城郭ファン必見!豊橋市の二川宿本陣資料館でイラストレーター 香川元太郎さんの城郭原画展を開催

愛知県豊橋市の二川宿本陣資料館では、10月1日(土)~11月13日(日)まで、「香川元太郎 城郭原画展」を開催する。

多くの人に日本の城や歴史舞台に興味を持ってもらうことを目的としたこの特別展では、迷路やかくし絵などを手掛ける、日本を代表する絵本作家・香川元太郎(かがわ げんたろう)さんの城郭を描いた作品を展示。城郭ファンはもちろん、香川さんのファンも楽しめる内容だ。

城郭の真の姿がわかる「歴史考証イラスト」

日本全国には、数えきれないほどの城郭遺構が残る。一部の近世城郭を除けば、土塁・石垣・堀などの遺構が山中などに埋もれ、在りし日の姿を思い浮かべることは難しい。

香川元太郎さんの作品は「歴史考証イラスト」と呼ばれる。城や歴史の舞台となった場所の鳥観図や断面図を、歴史学・考古学の専門家とともに考証して、精密な描写で再現するので、作品を見ることで、城郭の真の姿を知ることができる。

徳川家康ゆかりの吉田城・船形山城の原画を展示

今回の原画展では、昨年発表された、徳川家康ゆかりの豊橋市の城郭「吉田城」の展示はもちろん、この原画展に合わせて描かれた「船形山城」が初公開される。

現在の豊橋市雲谷町(普門寺の北西)に残る船形山城。三河と遠江の境に位置し、築城時期は明らかではないが、今川氏が三河方面の侵攻の拠点とするために築いた城郭だ。永禄年間(1558~1570年)には、徳川家康の持ち城となり、小笠原氏が守ったとされる。

遺構は、標高276mの船形山山頂付近に曲輪(くるわ)、障害物となる堀切・竪堀、侵入を防ぐ虎口・土塁などが確認できる。

原画展では、北海道から沖縄までの城郭原画を展示。また、期間中にはギャラリートークなどのイベントも開催する。

学芸員によるギャラリートーク

展示された作品についての解説を、二川宿本陣資料館の学芸員が行う。日時は、10月8日(土)・10月23日(日)の各14時から。事前の申し込みは不要だが、ギャラリートークの参加には入館料が必要となる。

風呂敷ラッピング講座

“和のエコバック”と呼ばれる風呂敷。その基本の包み方、おしゃれな包み方を講師として伊藤わかよさん(伝統文化 ふろしき風の会 愛知代表)を招き、学ぶイベント「風呂敷ラッピング講座」が原画展会期中に開催される。

日時は10月22日(土)の10時30分から11時30分。参加費は800円(風呂敷代含む)で、定員は20名。申込は10月8日(土)10時から可能で、二川宿本陣資料館で受け付け、または電話で受け付ける。定員になり次第、締め切りだ。

城郭ファンの大きな楽しみとして、実際に城跡を訪ねての遺構探索がある。「香川元太郎 城郭原画展」に展示された作品を参考に城跡めぐりをすれば、楽しみは一層ふくらむことだろう。

香川元太郎 城郭原画展
期間:10月1日(土)~11月13日(日)
会場:二川宿本陣資料館
所在地:愛知県豊橋市二川町字中町65
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
入館料:一般400円
休館日:月曜 ※10月10日(月・祝)開館、11日(火)休館
公式サイト:http://www.futagawa-honjin.jp

(高野晃彰)