<森鴎外生誕160年&没後100年記念>文京区立森鴎外記念館 コレクション展「鴎外の東京の住まい」

偉大な文豪が身近に感じられ、作品にもまた違った面白さを見出されるかもしれない。

文豪・森鴎外没後100年、文京区立森鴎外記念館開館10周年を記念し、鴎外が50年間暮らした東京の住まいを紹介するイベント「東京の鴎外の住まい」が開催される。

鴎外の東京の住まいを本人や家族の著作、図面などを通して紹介

今年7月9日(土)に没後100年を迎えた文豪・森鴎外(本名・森林太郎 1862-1922)。文京区および同記念館では、これを記念して今年1月から1年間を通して、鴎外没後100年の記念事業を展開している。

鴎外は、島根県津和野町に誕生の後、10歳で上京し、60歳で亡くなる間の50年間を東京で暮らした。

墨田区向島、足立区千住、台東区根岸、池之端、文京区向丘などに住まいを移し、30歳の時に現在の文京区立森鴎外記念館の在る文京区千駄木に居を構えた。この鴎外宅は、団子坂(別名:汐見坂)上に位置し、家の二階から東京湾が見えたことから、鴎外により観潮楼と名付けられた。

観潮楼模型  鴎外遺族や近隣住人の証言をもとに図面を起こし、平成3(1991)年に制作した復元模型

観潮楼模型 
鴎外遺族や近隣住人の証言をもとに図面を起こし、平成3(1991)年に制作した復元模型

本展では、鴎外の東京の住まいを、書簡、鷗外や家族の著作、図面、写真型などを通して紹介する。そして、観潮楼跡地が、鷗外を慕う人々の手によって、顕彰の地としてよみがえり、現在の文京区立森鴎外記念館開館までに至る軌跡をたどる。

鴎外の遺品資料約3,000点を所蔵する森鴎外記念館

鴎外は明治25(1892)年に30歳で文京区千駄木に居を構え、亡くなる大正11(1922)年まで30年に渡り家族と共に暮らた。

観潮楼は火災、戦災などにより現存しないが、跡地は昭和25(1950)年に児童公園となり、昭和37(1962)年に鴎外生誕100年を記念して、文京区立鴎外記念本郷図書館が開館。平成24(2012)年に生誕150年を記念して記念館が開館した。

旧正門の礎石、イチョウ、「三人冗語」の石などは現在も残り、東京都指定旧跡「森鴎外遺跡」として文化財保護の対象となっている。

現在は鴎外の遺品資料約3,000点、鷗外三男・類旧蔵資料約6,000点、図書資料約15,000点を所蔵している。

鴎外記念館設計者による講演会も

また期間中、9月17日(土)14時~15時30分に、記念館講座室にて展示に関連した講演会「記憶をつなぐ」が行われる。

建築家で、文京区立森鴎外記念館設計者である陶器二三雄(とうき・ふみお)氏による、鷗外の生涯と業績をどのように建築で表現し、人々が集う場を作り上げたのかについての講演だ。

定員30名で、事前申込制で本展観覧券が必要となる。詳細はホームページのチェックを。

この機会に、鴎外の魅力を追い息づかいに触れてみたい。

生誕160年没後100年記念 コレクション展「東京の鴎外の住まい」
期間:8月5日(金)~10月16日(日)
会場:文京区立森鴎外記念館 展示室2
所在地:東京都文京区千駄木1-23-4
開館時間:10時~18時(最終入館17時30分)
観覧料:300円(税込)
休館日:第4火曜日と、8/22(月)、8/23(火)、9/26(月)、9/27(火)
主催:文京区立森鴎外記念館
監修:山崎一穎(跡見学園女子大学名誉教授、森鴎外記念会顧問)
協力:谷口建築設計研究所、陶器二三雄建築研究所、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館、文京ふるさと歴史館

(suzuki)