世の中に数ある「問題」には、解決するための「ニーズ」を併せ持っているものがある。
社会問題となっている「空き家」をリフォームして、テレワークで働く人々の抱えている課題を解決するための「ご近所書斎」が、東京・仙川に開設した。
2つの問題を解決する手段
働く環境の最適化コンサルティングを行なうMACオフィスは、働く環境に新たな価値や選択肢の「場」を提供することで、「テレワークで働く人々の課題」と「空き家問題」の両方の解決に向けて一翼を担うために始めた定額会員制サービス「ご近所書斎」をスタート。
「ご近所書斎」は、双方が併せ持っているニーズを合致させ、問題解決をはかる取り組みだ。
テレワークで働く人々の課題とは
MACオフィスは2020年より全社的にテレワークを優先した働き方改革を実施した。
当初は、「出勤時に満員電車に乗らなくても済むから助かる」「周りを気にせず、自分のペースで仕事を進められるから仕事がはかどる」など、テレワークのメリットが大きく報道されていた。
テレワーク導入後、しばらくして社内のスタッフに満足度を確認したところ、多くの課題があることがわかった。
たとえば、「自分でオンとオフの区切りが付けられない」「そもそも仕事をするスペースがない」「自宅に通信/Wi-Fi環境がない」「ついつい長時間労働をしてしまう」「仕事上のコミュニケーションがないので不安になる」「仕事の成果が評価されにくい」「光熱費や通信費の負担が多くなる」などというものだ。
切実な空き家問題
2018年現在で全国の空き家数は846万戸、空き家率は13.6%となっており、地域社会にとっても大きな問題となっている。
少子高齢化と人口減少社会が進む日本で、この数値を改善する確実な方法としては、「人口(居住世帯)を増やす」もしくは「住宅(空き家)を減らす」、またはその両方を実施するしかない。
MACオフィスが都内在住のオフィスワーカーを対象に行った調査では、72%が「自宅と職場以外の場所に書斎が欲しい」、57.5%がフレキシブルオフィスに重視する条件として「自宅から近いこと」を一番にあげている。
47都道府県で空き家数の一番多いのは東京都の約81万戸。在宅ワーカー抱える課題と、空き家問題のニーズを合致させて誕生したのが、『空き家×自宅周辺で自分専用の書斎×地域コミュニティ』=『ご近所書斎』だ。
個々人が仕事をする場でありながら、外部の人や地域の人たちとのコミュニケーションが可能な場。仕事関係者とはオンラインでつながりながら、仕事以外の人たちとつながることができる場。
自宅(ファーストプレイス)や職場(セカンドプレイス)以外で安全と安心が担保されたストレスフリーの第3の居場所『ご近所書斎サードプレイス』こそが、これからのワークスペースの中心になっていくかもしれない。
ご近所書斎@仙川書斎
月額料金:フリーアドレス席1万円、半個室書斎2万円、個室書斎3万円
所在地:東京都世田谷区上祖師谷7-28-15
公式サイト:https://gokinjoshosai.jp/
(冨田格)