日本刀の歴史から日本史を学ぶ新刊『日本刀が見た日本史 深くておもしろい刀の歴史』

日本の歴史を、今までとは違う視点で学び返す。天夢人社は、2月17日、日本刀の歴史を軸に日本の歴史を一気に振り返るという新たな視点で日本史を学ぶ『日本刀が見た日本史 深くておもしろい刀の歴史』を刊行する。

日本刀の歴史から日本史を学ぶ

日本刀は、湾刀(わんとう)誕生から約1千年、神代鍛冶(じんだいかじ)の時代から数えれば千数百年以上の長い歴史がある。

あまたの武将たちが、刀工が魂を込めて鍛えた刀を手に戦い、歴史を動かす力となってきた。時に優れた日本刀は多くの武人たちの憧れの対象となり、宝物として天皇や将軍たちの手に渡り、時の権力者の象徴としての役割も果たしてきた。

『日本刀が見た日本史 深くておもしろい刀の歴史』は、こうした日本刀の歴史から日本史を通観することで、今までにない新たな視点をもたらしてくれる歴史読本だ。

日本刀が深く関わってきた歴史上の事変

本文は、「第1章 古代~室町時代」「第2章 戦国時代〜江戸時代」「第3章 明治時代〜近代」の3章に分け、計40項目におよぶテーマを設定し、それぞれ2~4ページの読み切りの文章で構成。

第1章では、「神話時代の日本刀」「七星剣×十七条憲法制定」「ソハヤノツルギ×蝦夷征討」「蜈蚣切×平将門の乱」「天光丸×前九年の役」「薄緑丸×源平合戦」「菊御作×承久の乱」「相州伝×蒙古襲来」「小龍景光×建武新政」「骨喰藤四郎×室町幕府誕生」「遠賀丸久国×勘合貿易」などを収載。

戦国時代から江戸時代の第2章は、本書の中でも最も多くのボリュームとなっている。

「日光一文字×下剋上の到来」から始まり、「謙信景光×川中島の合戦」「義元左文字×桶狭間の合戦」「童子切安綱×永禄の変」「籠手切正宗×姉川の合戦」「大般若長光×長篠の合戦」「実休光忠×本能寺の変」「信房×小牧・長久手の合戦」など、日本史に詳しくない人でも名前を知っている事柄を日本刀という視点で解説。

さらに、「太閤左文字×天下統一」「燭台切光忠×小田原征伐」「同田貫×朝鮮の役」「石田正宗×関ケ原の合戦」「大左文字×大坂の役」と江戸へ続く激動の時代を紹介。

江戸時代になってからも、「大名打×伊達騒動」「名刀焼失×明暦の大火」「備前刀×元禄赤穂事件」「享保名物帳×享保の改革」「村正×田沼意知襲撃事件」「井伊家の名刀×桜田門外の変」「曽根虎徹×池田屋事件」「陸奥守吉行×近江屋事件」と、日本刀が関わる事変が続いていく。

第3章では、「和泉守兼定×箱館戦争」「廃刀令×明治維新」「信国×西南戦争」「一文字吉房×日露戦争」「風雷神虎徹×五・一五事件「赤羽刀×太平洋戦争終結」「関孫六×三島事件」と武士から軍人の時代へと変わり、日本刀の存在意義もまた変化していく様子を解説する。

神話時代から昭和までの歴史を動かした事件や人物たちを、日本刀との関わりという視点で解説する本書は、日本刀そのものに興味をもっている人にも、日本史を学びたい人にもおすすめしたい一冊だ。

日本刀が見た日本史 深くておもしろい刀の歴史
仕様:A5判 168ページ
定価:1980円(税込)
Amazon:https://amzn.to/3rMCKKv

(冨田格)