創業者ルイが主人公の伝記小説『ルイ・ヴィトン 果敢なるひと』

ルイ・ヴィトンの創業者“ルイ”の生誕200周年を記念し、2021年8月より始まったプロジェクト「LOUIS 200」。

その一環として、昨秋ルイ・ヴィトンとガリマール出版社がフランス語と英語で発表した、創業者ルイ氏を主人公とする伝記小説『Louis Vuitton, l’audacieux』の日本語版『ルイ・ヴィトン 果敢なるひと』が2月15日(火)に発売される。

ルイ氏の少年時代から成功までを描いた一冊

ルイ氏は、義母との折り合いが悪かったこともあり、わずか14歳という年齢で、一銭も持たずに木靴を履いて生家である水車小屋を後にした。固い決意と、ジュラ方言で「頑固者」を意味する“ヴィトン”という名前だけを武器にして、少年は徒歩で2年かけてパリに到着する。そして、フォブール・サン=トノレでもっとも有名な荷造り用木箱製造兼荷造り業、マレシャルで職を得るのだ。

以降、幸運の女神はルイにひたすら微笑み続けた。

スペインの令嬢エウヘニア・デ・モンティホ氏は、優れた職人であると同時に先見の明があるルイ・ヴィトン氏に親しみを覚えて梱包を任すようになり、ナポレオン三世と結婚してフランス皇后(ウジェニー・ド・モンティジョ)となった後も信頼を寄せ続けた。

1854年、ルイ・ヴィトン氏は自分の名を冠した店を構え、革新的なアイデアを次々に打ち出す。第二帝政の華やかさと活気に背中を押されたルイ氏は、贅沢な衣服を無事に運ぶためのトランク、長距離旅行の必需品を収納するためのトランクをデザインすることで、小説さながらの人生を切り拓いた。

女性小説家、キャロリーヌ・ボングランが執筆

著者はキャロリーヌ・ボングラン氏。セーヌ県知事オスマン男爵の手で変貌を遂げるパリにおいて、ルイ氏が成功の階段を昇る様子を活き活きと描いている。

本作に関し、キャロリーヌ氏は次のようにコメント。

「人が人生で築き上げるものは何であれ、勤勉、良識ある行動、堅固な価値観、勇気を土台としているのだ、という気付きを読者に与えることが出来れば幸いです。ルイは無一文から出発しましたが、気概に溢れ、目標に向かって努力を惜しみませんでした。彼はあくまでも謙虚でありながら、抱いた希望と夢を実現したのです。

また、偉業を成し遂げた男性の傍らには必ず1人の女性(もしくは2人!)が存在するということも、読者に気付いてもらえたらと思います。

同時に、ルイも含めさまざまな人が発明を競った19世紀の雰囲気を感じ取っていただければ嬉しいです。ナポレオン3世がオスマンに託して大改造する前の中世然としたパリ、そして改造後の颯爽として輝かしいパリまで、当時の変貌ぶりを描けたのは作家冥利につきます」

世界中で知らぬ者のいない有名ハイブランドを、創業者はどのように作り上げていったのか。そのすべてが、この一冊に描かれている。

『ルイ・ヴィトン 果敢なるひと』
ルイ・ヴィトン刊
キャロリーヌ・ボングラン著/石田郁男訳
取扱店舗:ルイ・ヴィトンストア、公式サイト
予価: 6,270円(税込)

ルイ・ヴィトン:www.louisvuitton.com

(IKKI)