ベントレー、2025年からの5年間でフルバッテリー車・計5車種の発売を発表

ベントレーモーターズが1月27日、2030年までに完全電動化を目指す『ビヨンド100』戦略をさらに加速させる取り組みを発表した。

挑戦的かつ先進的なこの戦略の鍵となるのが、今回、リリースされた『ファイブ・イン・ファイブ』計画だ。2025年から5年間、毎年1車種ずつ電気自動車のニューモデルを発売し、持続可能なラグジュアリーモビリティにおける新たな模範となることを目指す。

計画実現のため、クルー工場を新たな生産拠点に

ベントレーは『ファイブ・イン・ファイブ』計画に先立ち、サステナビリティ実現に向けた25億ポンドの投資と、2025年に発売が予定されているベントレー初のフルバッテリー車を、イングランドのクルー本社で設計・開発・生産することを明らかにした。

クルー工場は「ドリームファクトリー」を新構想として掲げ、デジタル化と環境負荷ゼロを実現し、フレキシブルな生産施設となることを目指す。

同工場は2019年にカーボンニュートラル認証を取得しているが、ベントレーはさらに2030年までの達成目標として、クルーで生産されるすべての車両について、使用水量、埋め立て廃棄物、他の環境負荷を最小限まで減らすとしている。

そのための具体的な活動のひとつとして、敷地内のソーラーパネルを今後2年間で3万枚から4万枚に増設し、クルー本社による発電容量を増やすことが計画されている。またベントレーのヘリテージコレクションを含め、同社が所有する車両に持続可能なバイオ燃料を使用することも検討中だ。

今後、クルー工場は製造インフラを根本的に見直し、次世代の製品を見据えた拠点として、未来への足固めを行っていく。

2022年は販売台数の2割以上をハイブリッド車に

ベントレーはラグジュアリーハイブリッドセクターの先駆者としての地位をより強固なものとするため、2022年に「フライングスパーPHEV」の発売を予定。派生モデル5車種も投入し、これらのニューモデルと最新の「ベンテイガPHEV」でユーザーのニーズに応える。 2022年の販売台数は、2割強がハイブリッド車になる見込みだ。

ホールマーク会長兼CEOのコメント

ベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは、『ビヨンド100』戦略について次のようにコメントしている。

「25億ポンドの投資を行い、『ビヨンド100』戦略の加速とBEV生産に向けたクルー工場の改革を並行して進めることで、102年の歴史を誇るベントレーは重要な転換点を迎えます。そしてこのことが、ベントレーの組織全体ならびにサプライヤーおよびパートナーの皆様、さらには自動車業界と英国製造業の前途を照らす光明となることを願っています。

(中略)ベントレーは2030年までにエンドツーエンドのカーボンニュートラル達成を目指し、持続可能なラグジュアリーモビリティを牽引するメーカーとして生まれ変わります」

『ビヨンド100』戦略を実現するため、ベントレーはパートナー企業にも協力を仰ぐ。サプライヤーには持続可能性に関する最低限の基準を満たすことを期待し、グローバルリテーラーネットワークに対しては、遅くとも2025年までのカーボンニュートラル達成を求める予定だ。

本格的に動き始めた、ベントレーの『ビヨンド100』戦略。ラグジュアリーカー業界大手によるこの動きが、地球環境や経済に良い影響を与えていくことを期待したい。

ベントレー:https://bentleymedia.jp/

(IKKI)