多摩の檜でつくる「TOKYO WOODの家」が環境大臣賞優秀賞受賞

私たちが暮らす「家」から環境のこと、地球のことを改めて考えて欲しい。

■小金井市の小嶋工務店が環境大臣賞優秀賞を受賞
多摩の檜でつくる東京の家「TOKYO WOODの家」の地産地消の家づくりが担う「森林の健全なサイクル」「CO2排出量削減」という環境への取り組みが、環境省「第9回グッドライフアワード」環境大臣賞優秀賞を受賞。

「TOKYO WOODの家」を展開するのは、東京・小金井市で57年、地域密着で注文住宅を手がける小嶋工務店。

今回受賞した「グッドライフアワード」は、環境に優しい社会の実現を目指し、日本各地で実践されている「環境と社会によい暮らし」に関わる活動や取組を募集して紹介、表彰し、活動や社会を活性化するための情報交換などを支援していくプロジェクトだ。

2020年、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言。

「東京の家と森を育てる」というスローガンのもと始まった「TOKYO WOODの家」は、木造住宅の建築、地域内の木材流通という、日々の仕事である家づくりを通じて、10年間でCO2排出量の削減と固定に貢献した。

東京だけでなく、全国的にも地元の木を使った家づくりが、環境に寄与する効果があることを広く届けていくために応募することとなった。

■ウッドマイレージという指標から環境問題を考える
木材の地域内流通は、海外からの木材輸送に比べてCO2排出量を大幅に削減する。

一般的に日本で使われている木材の多くは海外の遥か彼方から輸送船に乗って運ばれてくる。木材輸送燃料のほとんどは化石燃料(重油)だ。

日本の木材供給量の7割を占める外材は、大量の化石燃料を燃焼させ、大気中に温室効果ガス(二酸化炭素)を放出しながら運ばれてくる。

一方、木材輸入の「量」だけを比較すると、アメリカは日本を上回る世界最大の木材輸入国。

しかし、アメリカの輸入元は、多くが隣国のカナダ。遠い国から外材を輸入している日本のウッドマイレージはアメリカの約5倍にものぼる。

しかし輸入材の方が目柄も揃っていて乾燥もしっかりしているというのも事実。そのため地域材である「TOKYO WOOD」の品質精度の向上に取り組んできた。

■「TOKYO WOOD」が環境配慮へのきっかけに
今後の一番の課題は事業継承。この「TOKYO WOOD」取り組みを継続するため、2021年4月に組織改定を行い、若手である田中林業・東京チェンソーズの各代表が専務理事に就任した。

未来を見据えて次世代ヘバトンを繋ぎ、東京の森とサスティナブルな社会形成を守っていきたいとしている。

どこの木材を使用するのか、という時点から環境配慮を考える「TOKYO WOOD」の取り組み。地産地消がサステナブルな社会の実現が、日本全体に広がっていくことを期待する。

小嶋工務店
所在地:東京都小金井市前原町5丁目8-15
公式サイト:https://www.k-kojima.co.jp/

(冨田格)