2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行が予定。ホテル業界は対応を迫られる。
アステップは持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みとして、プラスチックの代替品素材の製品となる「竹製の歯ブラシ/Bambooo Toothbrush」を開発、11月17日より販売している。
■ホテル業界の大きな問題となる歯ブラシのごみ
法改正により、プラスチックごみの年間排出量が5トンを上回る企業に対してプラスチックごみの削減が義務化される。
ホテルや宿泊施設などのアメニティは、ほとんどが使い捨てのプラスチック品であるため、アメニティの供給の削減や、アメニティ自体をプラスチック以外の代替素材に置き換えるなどの必要性が出てくる。
なかでも歯ブラシは、ホテルのプラスチックごみの75%を占めており、歯ブラシごみ問題はホテル業界にとって大きな問題といえる。
■独自技術で製品として保存できる竹割箸商品
アステップの取り組みが始まったのは2007年。コンビニ大手の割り箸が竹製になった頃に竹割箸を開発し、販売を開始した。当時は森林の環境保護が謳われていた時代であったため、木の代替素材として割り箸業界の目に止まったのが「竹」だったという。
竹は木よりも成長のサイクルが早いため、定期的に伐採する素材としては優秀。そして何より、かつて日本では日常道具が竹製だった時代が有り、日本人には馴染みの深い素材だ。
しかし竹は、しっかり乾かさないとカビが生えてしまうデメリットも。
口に含むものに対して薬剤の使用はできるだけ回避したいと考え、防カビ剤を使わずにカビを防ぐ方法として、徹底した洗浄と紫外線による殺菌処理を行い、竹に寄生する虫や雑菌を取り除き、含水率を7%以下に。製品として保存できる竹割箸商品に仕上げた。
この技術は同社の独自技術として特許登録されており、竹歯ブラシにもこの技術を使用して製造している。
同社の技術に着目した日本初サステイナブルブランド「MiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)」より竹歯ブラシのOEMを受けて供給。この製品をさらに改良し、自社ブランドとして発売に至った。
■日本人向けに仕上げた竹歯ブラシ
本体部分の竹素材は、周囲50cm以上にもなる孟宗竹が強度として最適なものを使い、また、ブラシ部分も植物性に近づけるべく、ナイロン610を採用。多くの竹歯ブラシで唯一ナイロン部分として残されていたブラシ部分の植物化を高めた。
また、ブラシ部分を小さくして日本人向けに使いやすく仕上げた。
一般販売のほか、ホテル等の宿泊業者に対しては1ケース800本からの販売を用意。さらに10,000本よりオリジナルのロゴ入れ、30,000本よりオリジナルの小箱の作成も可能だ。
毎日使う歯ブラシは、身近なことからごみ削減を始めたい人にも良さそうだ。
公式通販サイト:https://1963astep.shop/
(Goto)