旅行以上、移住未満の新たな繋がり「関係人口」をつくるマッチングサービス

「関係人口」という言葉をご存知だろうか?

自分の住んでいる土地とは異なる場所を観光で訪ねるのではなく、移住するのでもない。特定の土地と何らかの関係を育み、地域づくりに関わっていく人のことを指している。

■マッチングサービス「ふるシェア」始動

「ふるさと納税」や「ワーケーション」が広まることで、日本国内に改めて目を向け、その魅力に気づく人も増えている。

そんななか、じわじわと浸透し始めているのが「関係人口」という考え方だ。

旅行以上・移住未満で日本中の関係人口をつくる都市と地方をつなぐマッチングサービス「ふるシェア」が、2021年3月6日(土)にサービス開始する。

■人に会いに行く「関係」に特化したまちづくり

このプロジェクトの代表・小田切氏は、18年前から観光集客に関するプランニングやコンサルティングを行ってきた。

これからは持続可能な観光まちづくりでないと地方が疲弊すると痛感し、インスタ映えやご当地グルメなどの従来型の「観光」から、人に会いに行く「関係」に特化したまちづくりの必要性を感じて、マッチングサービス「ふるシェア」考案した。

サービス開始第一弾として、和歌山県すさみ町、京都府京丹後市の2ヶ所をふるさと候補地として、京阪神の都市部との関係人口作りに取り組むという。

「ふるシェア」を、新たな地方との関わり方として利用する人が増えることへの期待の声があがっている。すさみ町の岩田町長は「関係人口が増え、すさみ町民と交流する事で互いに刺激を受けながら成長していって欲しい」とコメントしている。

■「ふるシェア」で利用できる4つのサービス

オンラインコミュニティ「ふるシェアONLINE」

Facebookグループを活用した「ふるさと」と「まち」を繋ぐオンラインコミュニティ。スタッフがインタープリターとなりオンラインセミナーやオンライン飲み会を実施。

ふるさとからのお取り寄せ「ふるシェア便」

交流を深めるツールとして「ふるさと」の美味しいもの、「まち」の美味しいものなどを互いに送り合うふるさとシェア便を用意している。

空き家をリノベーションした宿「ふるシェアの家」

ふるさとに眠っている空き家をリノベーションし、ふるシェアメンバーが泊まれる宿を各地につくった。コンセプトは「実家」、新しくはないが、暮らしの息遣いが感じられる宿だ。

ふるさとの営みを共有しあう「ふるシェアタイム」

「ふるさと」の漁師さんと一緒に釣りをするなどのアクティビティや、人手が足りない農作業やお祭りを手伝うなど、ふるさとの暮らしと営みにコミットしていくことで、それぞれの困りごとをみんなで解決し、助け合いが自然に生まれる時間を作る。

サブスクリプション型のサービス「ふるシェア」は、注目が高いようで現在は定員に達したため新規募集を一時中断している。今後も新たな「ふるさと候補地」を開拓して取り組みを充実させていくそうなので、サービスの発展を期待しながら見守っていきたい。

「ふるシェア」:https://www.furushare.net/

(冨田格)