醤油蔵を改修した古民家ホテル 「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」オープン

日本の歴史を感じる町に、新たな宿が誕生。

1689年(元禄2年)に創業した奈良県最古の醤油蔵元・マルト醤油は、醤油蔵を改修した古民家ホテル「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」を2020年8月29日(土)に開業。

マルト醤油は70年前に一度閉業しているが、醤油蔵の再興をかけ2020年、築130〜140年の蔵を一部宿泊棟に改修し開業に至った。

醤油蔵の復活に際し、18代目当主・木村浩幸が伝統の古文書を読み解き、醤油づくりに挑戦。伝統の製法を探り続けるうち、70年ぶりに蔵付き菌が生き続けていたことを発見した。

蔵には古文書のほか、醸造場や居住棟、道具類が当時のまま残されており、建物の一部を改修し宿泊施設「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」として新たなスタートを切る。

現在も醤油は醸造を続けており、2022年の発売を予定。

■建物について

屋敷全体は、奈良固有の“大和棟造り”の名残りある母屋を中心とする屋敷構え。伝統的な造りを今に残している。

その佇まいから、当時この蔵に住み込みで働いていた蔵人たちの生活を至るところで感じられる。

全7室の客室は、かつての醤油蔵元の使われ方に着想を得た家具や装飾を施され、古文書が保管されていた部屋は「府庫」、原材料を貯蔵していた蔵は「糀」「碓」など、部屋名にも醤油づくりや蔵の歴史に因んだ名称を採用。

客室以外の空間には、蔵の創業当時から設えられているたくさんの「おもてなし」の想いが随所に残されている。

丁寧に手入れされた庭には、当時から来客者を見守る七福神の飾り瓦や春日灯篭、330年間祈りを捧げてきた社など、ずっと変わらない景色が広がり、蔵やここに訪れる人々を見守ってきた。

また、食事をする間は当時最上の客を迎えていた特別な奥の間。美しい庭の景色を眺めながら、澄んだ空気と静謐な空間で、朝食が楽しめる。

■田原本町について

田畑に囲まれ大和の原風景が望めるこの地には、重要文化財や遺跡、神社仏閣が多く存在する。奈良盆地の中で唯一残る古代の精霊宿る原生林にある村屋神社は、日本最古とされる大神神社の別宮とされ、古より両方をお参りすることで御利益があると言われ祈り続けられてきた。

また、2200年前にあった弥生時代の環濠集落である国史跡唐古・鍵遺跡や、邪馬台国説がある纒向遺跡などの遺跡、三輪山や二上山などの山々に囲まれ、日本人の“原点回帰”とも呼べるような体験ができる。

■醤油について

70年ぶりに復活を遂げた醤油は現在も醸造中であり、販売開始は2022年を予定。

地元原材料と天然醸造製法にこだわったマルト醤油の醤油は、醤油として客に提供するまで約2年かけてじっくりと熟成させている。創業1689年から続く味は、田原本産を中心とした大豆と小麦で丁寧につくっており、風味豊かで皇室御用達でもあった。

地域の食材とマルトの醤油を使って、体をいたわるようなやさしいメニューを提供。

URL:https://maruto-shoyu.co.jp

醤油蔵がルーツの「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」だからこそ味わえる、一般的な古民家ホテルにはない宿泊体験をぜひしてほしい。

(haruyama)