この季節は紫陽花が見頃。
しかし、新型コロナのこともあってなかなか難しい。密を避ける工夫をしながら散策してみた。
平日の通勤通学時間帯を避け、北鎌倉に到着。いつもよりはおとなしい人出だが、みんなが目指している明月院には向かわない。
なるべく人と会わないようにするため今回はお寺などには入らずに、道端や通り沿いに咲く紫陽花を堪能することにした。
明月院とは反対側に位置する「東慶寺」。こちらはちょうど閉じていたので、人のいない状態で階段両側の紫陽花が撮影できた。
天気が良かったので、紫陽花には少し暑そうだ。
すぐ近くの「浄智寺」は、花の多いことで有名。花の種類も多く、華やかではなく、ひっそりとした美しい庭がとてもいい。
しかし、今回は寺へと導く参道だけをぶらり。木漏れ日の中で鳥の声が響き、しばしたたずんで癒された。何もしない、心を開放するような時間だ。
さて、浄智寺の脇から山へと入るルートがあるのだが、現在は閉鎖されているので、鎌倉特有の「切り通し」を通って鎌倉に抜けることにした。
切り通しは敵が鎌倉に容易に入ってくるのを防ぐために作られたもので、非常に険しく坂がきつい。しかし、頭の上から迫ってくるような緑がとても濃く、紫陽花も下から見上げることができる。
もう少ししたら、岩に張り付くように咲くイワタバコも見られるだろう。
せっかく鎌倉に来たので、切り通しを越えた後は鶴岡八幡宮に参拝。これほど人が少ないのは初めてだが、夏雲を背景に本殿がそびえている様がとても美しい。
疫病退散を願って「茅の輪くぐり」も行われていた。夏越しの大祓だ。
お土産には「ハトサブレ」で有名な豊島屋で、紫陽花を模した和菓子を。
「四葩餅(よひらもち)」と言って、紫陽花の別称「四葩」から名付けたという。見た目にも情緒があり、やわらかな求肥が美味しい。
密を避けながらも、鎌倉を堪能できる散策だった。
(田原昌)