文豪気分で宿泊!太宰治も訪れた温泉に、文人の名を冠した客室が完成

日本を代表する文人達が訪れた、長野県の蓼科親湯温泉。

今回、縁のある文人達をイメージして、各部屋を個性的な設えにした「蓼科倶楽部」が完成した。

蓼科親湯温泉と関わりの深い文人達をイメージしたデザイン
過去に多くの文人達が訪れた蓼科親湯温泉は創業100周年に向け、「100周年カウントダウンプロジェクト」を実施している。その一環として、2018年に個室レストランと3万冊の蔵書ラウンジ&バーを新設し、2019年4月には全客室をリニューアル。

その際に、スイートルームタイプの客室「蓼科倶楽部」を蓼科親湯温泉と関わりの深い文人達をイメージしたデザインに改装した。そして2019年11月26日に、各文人達のポートレイトを客室内に飾ることにより「蓼科倶楽部」が完成した。

■文人達に愛されてきた蓼科親湯温泉

太宰治が新婚旅行で訪れるほど文人達に愛されてきた蓼科親湯温泉だが、以前は地元の湯治場としてひっそりと存在するだけの無名のホテルだった。その無名のホテルを世に広めたのは、伊藤左千夫だ。

自然豊かな蓼科を気に入った伊藤左千夫は、明治42年に「蓼科山歌」10首を蓼科親湯温泉で詠む。その後蓼科で歌会が開催されるようになり、伊藤左千夫を通じ、多くの文人歌人がこの蓼科の地を知り、訪れるようになった。

そういった背景から、現在の蓼科親湯温泉の原点でもある文人達を、蓼科倶楽部各部屋で表現した。

イメージした各10室の文人たちはアララギ派、幸田文、高浜虚子、島木赤彦、土屋文明、伊藤左千夫、斎藤茂吉、太宰治、小堀杏奴、柳原白蓮となっている。

クラシックなBarで当時を偲ばせる知的な空間を提供している親湯温泉について

大正15年創業の蓼科温泉の老舗ホテル親湯温泉。2019年4月に100周年カウントダウンプロジェクトの一環として明治、大正、昭和期の蓼科の軌跡を残すべく、当時この地区の文化の中心であった姿を表現した全館リニューアルを敢行。

みすずラウンジ(みすず書房)や岩波の回廊(岩波書店)を擁し、全集の他、昭和初期の出版当時の装丁のままの貴重な本なども含め3万冊の蔵書を手にとって閲覧することができ、クラシックなBarで当時を偲ばせる知的な空間を提供している。

日本文学に想いを馳せながら、ゆったりとした時間を過ごしたい。

蓼科親湯温泉
所在地:長野県茅野市北山4035
URL:https://www.tateshina-shinyu.com/

(田原昌)