万が一のための「後付け」踏み間違い加速抑制システムが事故のリスクや被害を軽減する

ここ最近のトヨタ車には「トヨタ セーフティ センス」や「インテリジェントクリアランスソナー」などが設定されているものの、運転支援システムが普及する以前のモデルには同様の装備がない。

そこでトヨタは、交通事故死傷者ゼロに向けて「後付け」の「踏み間違い加速抑制システム」の展開を順次進めている。

アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い事故は、年間で6,000~7,000件ほど発生(交通事故総合分析センターや警察庁交通局の統計データより)。事故全体の中では約1%に過ぎないが、事故全体の件数が大幅に減少する一方、ペダル踏み間違い事故は微増傾向にあり、重大な死亡事故につながることも多いという。

また、駐車場など道路以外での発生率は事故全体よりも約4.4倍高く、交差点付近でも約1.6倍高い。年齢・性別では、男女とも20~24歳がピークで、男性では70~74歳、女性では55~59歳の比率が高いというデータもある。

トヨタによる「後付け」の「踏み間違い加速抑制システム」は、ブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった際に、加速を抑えて被害を軽減するシステム。完全停止する緊急ブレーキとは異なり、あくまでも注意喚起ならびに加速を抑制するシステムだが、慌てて操作したり、パニックを起こしたときの被害軽減に一定の効果を発揮するはずだ。

ちなみにダイハツからも同様のシステムが「つくつく防止」という名称で販売されている。対象車種は2代目タントや4代目ムーヴ、7代目ミラ。価格は3万4,560円(工賃除く)。

備わる機能は2種類。ひとつは前方・後方の障害物に向かって急発進してしまった場合、ブザー音と表示機でドライバーに注意を促し、万が一ブレーキと間違えてアクセルを強く踏んでしまっても加速が抑制される。

もうひとつは後退時に約5km/h以上の速度になった場合、同じくブザー音と表示機で注意を促しつつ、アクセルを踏んでしまっても加速が抑制される。

対象のトヨタ車を所有していて長く乗り続けたいという方は、「自分は大丈夫と思わず」に、ぜひ装着を検討してみてほしい。

■対象車種ならびに保有台数(2019年3月時点)
・販売済み
プリウス(2009年5月のFMC~2015年12月のFMC前まで)=約98万台
アクア(2011年12月の新型~2018年4月の一部改良前まで)=約122万台
プリウスα(2011年5月の新型~)=約44万台
プレミオ(2007年6月のFMC~2016年6月のMC前まで)=約9万台
アリオン(2007年6月のFMC~2016年6月のMC前まで)=約8万台
ポルテ(2012年7月のFMC~)=約12万台
スペイド(2012年7月の新型~)=約16万台
ウィッシュ(2009年4月のFMC~)=約20万台

・2019年10月に発売予定
カローラアクシオ(2012年5月のFMC~2017年10月のMC前まで)=約14万台
カローラフィールダー(2012年5月のFMC~2017年10月のMC前まで)=約28万台
パッソ(2010年2月のFMC~2016年4月のFMC前まで)=約29万台

・2019年12月に発売予定
ヴィッツ(2010年12月のFMC~2018年5月の一部改良前まで)=約58万台

(zlatan)

画像元:トヨタ自動車