オトナになった今、身の回りにはこだわりの小物を揃えたい。
江戸切子をモチーフにした文様を切削した耳かき「zig」が、半導体検査部品メーカーの理化電子から発売された。
■始まりは技術者の「母との思い出」
耳かき「zig」は理化電子の社内コンペ「アイディア製品プレゼン大会」から生まれた。半導体検査部品の製造のために磨き上げたミクロの加工技術を利用して、新製品を作れないかという企画だった。
幼少期に母に耳かきをしてもらったときの温かで心地よい思い出から「耳かきを作りたい」という強い思いを持った技術者のもとにプロジェクトメンバーが集まり、社内コンペでグランプリを獲得。こうしてプロジェクトがスタートした。
■2人の匠との出会い
国内外で数々のデザイン賞を受賞するデザイナー・西村ひろあき氏を企画段階から迎え、「日本の伝統的なものづくり」をテーマに設定。西村氏によってzigの世界観がブランディングとして形作られ、プロダクトの美しい文様がデザインされた。
さらに江戸切子職人の三代・秀石 堀口徹氏に監修を依頼し、伝統工芸の本質を追求した製品に仕上がった。
■美しいデザイン
完成したのが2種類の文様と4色のカラーバリエーション。
文様は邪気を払うといわれる「矢来文(やらいもん)」、豊かさを意味する「網代文(あじろもん)」の2パターン。
カラーは瑠璃被(るりぜき)【青】、黒被(くろぜき)【黒】、金赤被(きんあかぜき)【赤】、すき【無着色】と、伝統的な江戸切子のカラーリングに模した4色を用意。
後端には江戸切子で「底菊」と呼ばれるカットを施し、細部に至るまで伝統工芸の本質を表現した。
■0.01㎜が勝負を分けるものづくり
ミクロン単位の切削技術が滑らかなかき心地を実現。写真は顕微鏡を用いて撮影。
堀口氏による切子監修、西村氏による製品デザインを受け、原材料となるアルミニウムの表面処理・染色・切削加工に至るまで自社技術を駆使。0.01mm単位の精度が求められる精密部品の切削で培った技術により、顕微鏡で見ても凹凸のない形状を実現した。
ミクロの技がフォルムや文様の美しさに加え、滑らかなかき心地を可能にした。
現在、京都岡崎 蔦屋書店(京都市左京区)にて販売中。美しい耳かきを手に入れてはいかが。
Webサイト:http://zig.jpn.com/
(MOCA.O)