失われた伝説の幕府献上品「高砂染」アラブへ!シャルジャ国際ブックフェアに出展

「高砂染」というのをご存知だろうか。100年前に失われた、姫路藩の幻の幕府献上品だ。

■高砂染がアラブへ
「高砂染」の再興を行うエモズティラボが、神戸・元町インバウンド協議会と協力し、アラブ首長国連邦・シャルジャで開催される「第37回シャルジャ国際ブックフェア」に名誉招待国枠として出展。

約100年ぶりに新規製作した「高砂染浴衣」と、江戸時代の「幕府献上品」と同仕様の最高級高砂染着物の展示の他、高砂染の手法を使った子供向けワークショップなどを行う。

■国際ブックフェアとは
シャルジャ国際ブックフェアは、世界で3番目の規模を誇るブックフェア。昨年の第36回では、イギリスが名誉招待国として招待され、同国の文化を幅広く紹介。11日間の会期中に238万人の来場者を集めた。

本年の第37回フェアでは、名誉招待国は日本。ジャパンパビリオンが設置される。

期間:2018年10月31日~11月10日 9時~22時(金曜は16時~23時)
会場:The Expo Center Sharjah in Al Khan Area, Al Taawun Street, near Arab Mall

■「高砂染」とは
展示される高砂染は、姫路藩から徳川幕府に献上された幻の染め物だ。徳川家筆頭祝言曲であった謡曲「高砂」の「ことほぎ」の精神を具現化し染め上げたもので、無限連続する抽象的な松模様に、「尉と姥」や扇、鶴などの吉祥紋を重ねる立体表現技法が特徴的。

姫路藩の伝説的家老・河合寸翁(かわいすんのう)の手によって産業振興され、江戸で大流行したと言われている。明治維新後は皇室にも納められていたが、時代の流れとともに徐々に衰退し、その技術は失われていった。

エモズティラボでは高砂染の創業家にも協力を仰ぎ、「高砂染の再興」を目指してプロジェクトを開始。

江戸時代の技法を復活して高砂染着物を復刻し、姫路城・西御屋敷跡庭園「好古園」などで展示。今後の活動にも注目したい。

高砂染詳細:https://peraichi.com/landing_pages/view/takasagozome

(Takako.S)