まさに威風堂々! センチュリーが21年ぶりにフルモデルチェンジ

日本の美意識に通じる静的な均整感を保ちながら、後席を上座とする思想を造形に表したという新型センチュリー。たとえばサイドビューは、あえて傾斜を立てた重厚なクォーターピラーとして、後席の存在感を強調している。

徹底した作り込みは量産車の比ではなく、「七宝(しっぽう)文様」を配置して前後二重構造としたフロントグリル、工匠が金型を約1カ月半かけて手で彫り込むというフロントセンターの「鳳凰」エンブレムなど、重厚かつ華やかな造形美がそこかしこに見られる。

また、新規開発色のエターナルブラック「神威(かむい)」は、7層もの塗装に、3回の水研ぎや鏡面仕上げを施し、一点のくもりもない漆黒感を表現している。

パワートレーンは、従来の5.0リッターV12から5.0リッターV8+モーターによるハイブリッドシステムへと刷新。エンジン単体で381ps/510Nm、モーターが224ps/300Nm、システム出力は431psを発生しながら、車格を考慮すると優秀な13.6km/Lという好燃費(JC08モード)を実現している。

運転支援システムは、緊急時の自動ブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールなどから成る「Toyota Safety Sense」をはじめ、ブラインドスポットモニターやパーキングサポートアラートなども搭載する。

VIPをもてなす後席は、まさに至高の仕立てだ。電動オットマンやリフレッシュ機能付(左後席のみ)電動リヤシートを採用するほか、後席アームレストの7インチ大型タッチパネルからオーディオやエアコン、シート、リフレッシュ機能、カーテンなどを操作できる。

また、本杢(ほんもく)オーナメントで前席と区切りつつ、天井に「紗綾形(さやがた)崩し柄」の織物をあしらうなど、日本らしい細工や心配りの数々は外国人からも喜ばれそうだ。

静粛性の高さも特筆もので、防音材を隙間なく組み付けたほか、エンジン起動時の音や振動にはアクティブノイズコントロールで対応している。

(zlatan)

画像元:トヨタ自動車