紀州奥白浜 椿温泉のお籠りの宿「海椿葉山」

和歌山県の白浜にほど近い椿温泉は数軒の温泉宿があるのみの小さな温泉地。歓楽街があるわけでもなく温泉を静かに楽しむにはぴったり。

今回は椿温泉の海に向けた岸壁に建つ「海椿葉山」を紹介しよう。

海椿葉山は建築家 竹原義二氏の設計。グッドデザイン賞建築環境部門賞や建築学会作品選奨などの賞を受ける。

チェックインを済ませると熊野の杉や檜で組みあげた回廊をすすみ部屋へ案内される。

客室は全6室。すべての部屋が海に面し、デッキテラスからは水平線が空と海をくっきりと分けているのが望める。

どの部屋もすっきりとした和モダンの設えで、それぞれに異なる趣向が凝らしてある。

大浴場は回廊の奥の岸壁の先端にある。男性は「荒磯の湯」、女性は「落日の湯」。

二つ並んだ湯船は温泉と冷泉。

湯船に浸かりながら海と空を眺める極楽の湯浴み。日没前の時間なら夕陽が空を朱色に染めながら海に沈んでいく景色も楽しめる。

お湯は透明でなめらか。海に近い温泉であるが塩気はなく、湯上りはさらりとした肌ざわりが泉質の良さを物語る。

天井の高いサロンに赴けば冷えた熊野の名水をグラスに注いで運んでくれるので喉を潤してしばらく休憩も。

食事は夕食・朝食ともに部屋に用意される。

夕食の食前酒はクリスマスが近かったのでシャンパンが提供された。

手毬寿司と造里、地元農家の朝摘み野菜の中鉢、茶碗蒸し、揚げ物など紀州の食材を使った料理が運ばれる。器の中にかわいらしく並べられた食材が目に楽しい。

ドリンクは南紀白浜の地ビール、ナギサビールをいただく。

夜は波の音を聴いているうちにいつしか夢のなかへ。

温泉に浸かり、海と空を眺め、なにもしない贅沢なひとときを過ごしに訪れてみてはいかがだろう。

 

住所:和歌山県西牟婁郡白浜町椿1063-20

海椿葉山 公式サイト:http://umitubakihayama.com/

(小椚萌香)