チェコの首都・プラハという街は、プラハ城の東側を大きく蛇行してから街中を流れるVltava(ヴルタヴァ川)を中心に美しい中世の街並みが広がる場所である。
ヴルタヴァ川はスメタナの曲で有名な川であり、日本だと「モルダウ」という名前の方が親しまれているかもしれない。
夏場をメインにヴルタヴァ川では観光船が行き来し、上流からプラハで最も有名な「Karlův most(カレル橋)」までを往復したり、中で食事が出来るレストラン船で賑わう。
そんな川の様子と街を一望できる場所が「Letenské sady(レトナ公園)」である。プラハ城に対して東側の高台に位置し、広大な緑が広がる公園だ。
中心部からバス、もしくは市電に乗っていける。プラハ市民の憩いの場であり、普段顔のプラハを垣間見られる場所だ。
市民たちはここでマラソンをしたり、犬の散歩をしたり、また景色の良い場所ではビアガーデンも展開されているのでビールで喉を潤している。眼下に流れる川を眺めながら、優雅な時間が過ごせる最高の場所だ。
公園内に一部開けた場所があり、そこでは多くのカップル達が思い思いの時間を過ごしていた。
目の前にはヴルタヴァ川、その向こうに広がる歴史的建造物。ところどころに教会の尖塔が見え、プラハが「百塔の街」と呼ばれていることを思い起こさせる。そしてヴルタヴァ川にいくつも架かっている橋が特徴的だ。
この公園をずっと西に向かって歩き続けると、プラハ城に辿り着く。時間と体力があれば、のんびりと景色を楽しみながら散歩をしたいコース。
観光のメインからちょっと離れ、市民達に紛れてのんびりとプラハを散歩。そんな余裕のある時間を過ごすのも、個人で旅行をする楽しみの一つである。
(田原昌)