セーヌ湖畔から望む輝く“銀の塔”を名の由来とする「La Tour d’Argent(トゥールダルジャン)は、1582年にパリ・セーヌ川のほとりに誕生する。時は大航海時代、豊かな中国やインドに至る最短航路を求めると同時にヨーロッパ人の多くが植民地を確立した時代である。
その名が知られるきっかけは偶然、鹿狩りの帰りに立ち寄ったフランスの国王・アンリ三世ら貴族たちが食事をしたことであり、以後400余年の歴史を誇るミシュラン常連店である。
この「トゥールダルジャン」の世界唯一の支店である「トゥールダルジャン 東京」は、旧加藤清正公の庭園として400年の歴史を持つオータニ庭園を望む地に、文字通り“フランスと日本の食文化の架け橋”という役割を担って1984年に誕生した。
今年、「トゥールダルジャン 東京」が贈る2017夏季限定企画は、“プロヴァンスやコート・ダジュールなど南仏をゆったりと旅する気分で愉しむ”がテーマ。
降り注ぐ太陽の光、豊かな自然がもたらす美味あふれる楽園、南仏は多くの芸術家達をも魅了してきた。セザンヌやシャガールが多くの名作を残し、中世の面影が今なお色濃く残る町“ヴァンス”。そして、ルノワールが暮らした小さな村“カーニュ・シュル・メール”に、マティスが移り住んだ“ニース”など。
今回のメニューは、海の幸を贅沢に使って地中海の滋味をギュッと凝縮した濃厚なスープ“ブイヤベース”をトゥールダルジャンスタイルに仕上げた逸品をはじめ、コート・ダジュールのレストランでも活躍した経験を持つエグゼクティブシェフルノー・オージェならではの南仏の香り溢れるクリエイションが堪能できる。
「幼鴨の備長炭グリエ バジル風味のソース 香ばしいナスとソッカ添え」
トゥールダルジャンのシグネチャーメニューである「備長炭でグリエした幼鴨のロースト」に南仏ニースの伝統的な郷土料理“ソッカ”(ひよこ豆を使ったガレット)を添えてある。
「オマール海老とオシェトラキャヴィア ミント風味のジュレとソース ドン・カルロ」
オシェトラキャヴィアをあしらった、カルパッチョ仕立てのオマール海老を、コニャックが香るオマール海老の “ソース ドンカルロ”でいただく。グリーンの鮮やかなミント風味のジュレが涼やかさを演出している。
「オレンジフラワーウォーターのブランマンジェ 蜂蜜ともみの木リキュールのアイスクリームと共に」
オレンジの花から抽出したエッセンスの上質な香りが特徴のオレンジフラワーウォーターを使ったブランマンジェ。 森の自然を彷彿とさせる爽やかな香りが楽しめる “もみの木リキュール”(もみの木の新芽などから造られたフランスのリキュール)と蜂蜜を使ったアイスクリームにカモミールのジュレ。蜂の巣をデザインした遊び心たっぷりのメレンゲのデコレーションが楽しめるひと皿だ。。
「サマークルーズ」概要
■ランチ 期間:2017年7月6日(木)~8月26日(土)※木~日曜日限定
料金:9,000円 1万5,000円
■ディナー 期間: 2017年7月5日 (水)~8月 29日(火)※月曜日定休
料金:1万8,000円 2万5,000円 3万2千円
※いずれもお飲物、税金、サービス料別
※ディナーはアラカルトあり
ところで、「トゥールダルジャン」が創設された1582年の日本はどんな時代だった調べてみた。時は安土桃山時代。
そして、この1582年は、「本能寺の変」で明智光秀が織田信長を滅ぼした年である。
アンリ三世は、享年37歳、暗殺者による重傷で死去。織田信長は、享年38歳、クーデターによる死去。
生きた時代は異なるが、二人が見た風景に共通するものがもしかしたら、あったかもしれない。
そんなことを考えながら頂くこの夏の限定メニューを頂くのもなんだかオシャレな気がする。