会社員のお小遣い額の実態が明らかに・・・「2015年サラリーマンのお小遣い調査」発表

企業決算の好調を反映してか、平成26年の一人あたりの平均月間現金給与総額は、規模5人以上で前年比0.8%増の316,567円と対前年比で4年ぶりの増加となったが、一方で実質賃金は-2.5%となり、賃金は上がっているものの物価などの上昇には追い付いていない状況だ。

2015年度の見通しとしては、連合が5月28日に、2015年春闘の中間集計結果(5月11日時点)を発表し、賃金を底上げするベースアップ(ベア)実施額は、ベアと定期昇給の区別可能な1815組合の平均で2,037円となり、引き上げ率は0.67%で前年同時期(0.49%)を上回る結果となるなど、2015年度もサラリーマンの賃金自体は上昇が見込めるものと考えられるが、実際のお財布事情は果たして……?

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「2015年サラリーマンのお小遣い調査」結果の主なポイント

■男性会社員のお小遣い額は37,642円と前年比1,930円減少。1979年の調査開始以来、過去2番目に低い金額(最低額は1982年の34,100円)。

■男性会社員の昼食代は前年比60円増の601円。

■男性会社員の1回の飲み代は4,954円(※)と、自宅で飲む方の2,861円より2,000円以上高い結果に。

■女性会社員のお小遣い額は、前年比2,244円減少し、34,468円。

■消費税の負担を感じる人は、男性会社員で78.2%、女性会社員で84.9%と消費税の8%へのアップ直後の前年より上昇し、過去最高。

 

お小遣い額は過去2番目に低い金額

男性会社員の毎月のお小遣い額は昨年より1,930円減少し、37,642円と1979年の調査開始以降2番目に低い金額となった(最低額は1982年の34,100円)。

年代別では、20代、30代はほぼ昨年の水準を維持したものの、40代、50代は4,000円以上の減額となり、養育費・教育費などの家計への負担感がお父さんのお小遣いを直撃したものと考えられる。

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お小遣いは減るも、昼食代は3年連続上昇

お小遣い額は減少したものの、男性会社員の1日の平均昼食代は、昨年の541円から上昇し601円となった。これは消費税や物価の上昇によって、外食などの値上げが広がったことによるものと考えられる。

 

男性会社員の1回の飲み代は、外に飲みに行く方が4,954円、自宅で飲む方が2,861円

男性会社員の1回の飲み代は4,954円(※)と、自宅で飲む方の2,861円より2,000円以上高い結果になった。
1ヵ月の平均飲み回数は、昨年と同じく2.4回。年代別に見ると、30代・40代が昨年より減っているなか、20代が回数を増やしているのが特徴だ。

 

消費税の負担感は過去最高

2014年4月1日に8%に引き上げられた消費税率については、男性会社員では、負担に感じている層が78.2%と、昨年より5.2%上昇、消費税3%導入時の1989年や、8%への増税直後である昨年よりも高く、負担感は過去最大となった。

女性会社員では、負担に感じている層が84.9%と、男性よりも負担に感じている方が多いようだ。また、男性同様に、負担に感じている層は昨年から上昇している結果となった。物価の上昇による家計、ひいてはお小遣いへの負担が、消費税に対する負担感にも反映されているとみられる。

(※)1回の平均の飲み代は、2014年調査から算出方法を変更している。詳しくは詳細レポート(150629okozukai_j.pdf)15ページ参照。

 

(オカダヒロタケ)

男性会社員のお小遣いは過去2番目に低い金額-「2015年サラリーマンのお小遣い調査」結果について

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