聖ポール天主堂跡
マカオの世界遺産といえば、ここを外すわけにはいきません。
1637年に建てられたキリスト教会で、当時はマカオのキリスト教布教の中心だったそうです。たった1枚の壁(ファザード=正面)だけの姿が有名ですが、それはほかの部分が火事で消失したから。残された石造りの壁は施された精密な彫刻が見どころで、西洋の建築様式ながら漢字が書かれるなど西洋と東洋の調和がロマンを感じさせます。
また、この教会の建立には日本の迫害から逃れてきた日本人キリシタンも関わるなど日本との関連も深い場所。裏側の地下は納骨堂として整備されていて、そこには日本人キリスト教殉教者も収められています。
盧家屋敷
著名な商人の邸宅として1889年に建てられた建物。重厚なレンガ作りの伝統的な中国式家屋ながら、ステンドグラスを用いた飾りなど西洋文化との融合が見所です。中庭に降り注ぐ光が美しい模様の格子を通じて作り出す陽と陰のコントラストの美しさは、思わずため息が出るほど。
聖ドミニコ教会
建物外観正面の美しさが有名ですが、せっかく訪れたのなら建物の中に入ってみましょう。高い天井を持ち厳格でありつつも幻想的な雰囲気に目を奪われるに違いありません。礼拝堂の正面にある祭壇、そして直線的な柱と丸みを帯びた天井が織り成す空間は信仰と美が入り混じった不思議な雰囲気を醸しています。
祭壇の聖母マリア像は「バラの聖母像」と呼ばれ、中国語で「バラの教会(玫瑰堂)」と呼ばれる由来になっているそうです。
民政総署
マカオ最初の地方自治局として1784年に建設され、現在も市議会が開かれるなど市制を管理する建物。見所は美しい中庭とそこに向かう通路の両脇を飾る青いタイル。西洋様式の中庭はまさにポルトガルの影響を受けたもので、ポルトガルの詩人や作家の像や石造などが置かれています。
そして中庭へ通じる道では、左右に飾られた「アズレージョ」と呼ばれるタイルをじっくりと眺めましょう。
このタイルはポルトガルやスペインで15世紀から生産されている伝統的なもので、ポルトガル様式の建物には欠かせないもの。幾何学模様が生み出すその美しさは必見です。
ギア要塞
マカオ半島でもっとも高い場所(海抜92メートル)に位置するギア要塞。当初は船で攻めてくる外敵からマカオを守るために大砲を置く要塞として1622年から1638年にかけて築かれましたが、後に教会や灯台が作られ現在では観光名所となっています。
ここはマカオ半島でもっとも高い場所だけあり、眺望が抜群。どこかへ旅に出かけた際は、もっとも高い場所から周囲の様子を望むのは基本中の基本。マカオに訪れたら、ここから街の様子を眺めることをオススメします。
ここで紹介した5つをはじめ22の建築物と8つの広場は「マカオ歴史市街地区」として世界文化遺産に登録されていますが、すべてが徒歩圏内。ぶらりと散策して気軽に世界遺産を散策できるのも、マカオの魅力です。
(くぼき ひろこ)
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