日本の伝統建築技術と茶の湯文化が融合した「モバイル茶室」が、羽田空港に隣接する羽田エアポートガーデンに登場。3月2日(日)、組み立て式の茶室を用いた特別な茶の湯イベント「世界を旅する茶室」が開催される。
バイリンガル茶道家・保科眞智子氏による茶道体験に加え、宮大工の技が生かされた茶室の展示も実施。伝統と革新が交わる特別な空間を体感できる。
伝統技術を未来へつなぐ「モバイル茶室」
「モバイル茶室」は、宮大工の棟梁と茶の湯を愛する女将の「日本の木造技術と茶道文化を世界に広めたい」という想いから生まれた。最大の特徴は、わずか1時間で組み立て・解体が可能でありながら、伝統的な木造技術を活かした本格的な構造を持つ点にある。
この茶室が世界的に注目を集めたのは、2019年にパリ国際展示会で披露された茶会だった。畳2帖の小さな空間で淹れられた一服の抹茶が、多くの来場者の関心を引き、「この香りは何?」と世界中のバイヤーが集まる光景が生まれた。
それ以降、「モバイル茶室」は国際会議やラグジュアリーホテル、美術館などでも取り上げられ、伝統技術と茶の湯文化を国内外へ発信し続けている。
羽田エアポートガーデンでの特別な一日
今回のイベントでは、バイリンガル茶道家の保科眞智子氏が、貴重な抹茶を用いた茶道体験を提供する。保科氏監修の「白栲(しろたく)」は、安土桃山時代から受け継がれる希少なほんず製法の抹茶であり、かつて将軍にも献上された逸品だ。
また、本イベント限定の特製和菓子「むすび旅」も用意される。
宮大工が手掛ける「モバイル茶室」の展示と解説も行われ、茶道の精神と伝統建築の技術が織りなす空間の魅力を体感できる。
「モバイル茶室」が未来に伝えるもの
このプロジェクトには、日本の森林保全と宮大工の技術継承という2つの重要な目的がある。
近年、日本の森林は管理が行き届かず「山枯れ」が進み、自然災害や生態系の変化に影響を及ぼしている。モバイル茶室では、羽田・東京湾の「水源の森の間伐材」を活用し、サステナブルな木造建築の可能性を広げる取り組みを推進している。
また、宮大工の技術継承も大きな課題となっている。木造建築の需要減少により、10年以上の修行を必要とする宮大工の後継者が減少。茶室づくりは、若手職人が伝統技術を習得する重要な機会となっている。「モバイル茶室」を世界へ広げることは、日本の匠の技を未来へつなぐ一助となるだろう。
伝統と革新が融合する特別な体験
「モバイル茶室」は、単なる組み立て式の茶室ではない。宮大工の技が詰まった木造建築の粋であり、茶の湯の精神とともに、日本の美意識を体現する空間である。
羽田エアポートガーデンで開催されるこの1日限りのイベントで、その魅力を直接感じてみてはいかがだろうか。
世界を旅する茶
開催日時:3月2日(日)11時~16時
会場:羽田エアポートガーデン グランドホワイエエリア
内容:モバイル茶室での茶の湯体験(お土産付き)
参加費:プレミアム席(予約制)15,000円(54名限定)
チケット予約ページ:https://x.gd/D50IG
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000157293.html
(山之内渉)