今年3月に開催されたジュネーブ・ショーで注目を集めたのはSクラス・クーペであったが、同時に3代目となる新型『Vクラス』もワールドプレミアを迎えていた。1998年にデビューした初代モデルは商用車のヴィトーをベースにしていたものの、手頃なサイズとユーティリティの高さから人気を得て日本でも成功を収めた。
欧州ではすでに発売された新型『Vクラス』だが、デザイン的にも新世代メルセデスの顔となり日本導入が待たれるところ。フルサイズMPVセグメントの新たなベンチマークとすべく開発された新型は、技術面のみならず、メルセデス流のラグジュアリーな匂いを感じさせる演出も見どころだ。
さて、今回取り上げた『マルコ・ポーロ』は、新型『Vクラス』をベースにコーチビルダーのウエストファリアとメルセデスが共同開発したキャンピングカーだ。著名なイタリア人冒険家の名を冠したこのモデル、実は先代のVクラスにも存在していた。つまり、それだけ需要があるということにほかならない。
このクラスを牽引するのはVWのT5。無論、VWブランドのほうがユーザーの間口が広い。しかし、マーケットが熟成されればメルセデスにも追い風が吹く。開発陣も徹底的にライバルを研究しこのモデルを完成させた。キャンピングカーとしての装備は言うに及ばず、ラグジュアリーなインテリアに電動でベッドになるリア・ベンチシートなど、さすがメルセデスといった印象だ。
メルセデスはこのモデルを、デュッセルドルフで開催される世界最大級のキャンピングカー見本市『キャラバン・サロン』に出展する。この手のモデルは日本でも需要が伸びる傾向にあるし、並行輸入されるケースも度々。正規導入を願うユーザーは少なからずいるはずだ。