「インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー」をご存じだろうか。世界の80以上のジャーナリストが参加し、排気量などのカテゴリーごとに、最良の自動車エンジンを選ぶものだ。エンジンの性能、燃費、騒音、実車テストなどの評価項目がポイント化され、順位が決定されるものだ。
「インターナショナル エンジン オブ ザ イヤー2014」では、フォルクスワーゲンの1.4リッターTSIツインチャージャーエンジンが1.0~1.4リッタークラスの「インターナショナル オブ ザ イヤー アワード」の9年連続受賞を果たしたことが発表された。1.4リッターTSIツインチャージャーエンジンは、360ポイントを獲得。次点となる202ポイントを獲得したフィアット1.4リッターのマルチエアターボを大きく引き離す結果となった。
フォルクスワーゲンのTSIエンジンは、近年のダウンサイジングコンセプトの代名詞的存在として注目されてきたもので、比較的小さな排気量ながら、ターボ、またはターボとスーパーチャージャーの二つの過給機を備えることで、はるかに大きなエンジンに匹敵するパワーを得るユニットだ。現在のシリーズでは、ベースとなるエンジンとその過給機の組み合わせによって、90psから300psまでと幅広いパワーレンジを揃える。
最初に投入されたのは、2006年のこと。1.4リッターのツインチャージャーエンジンは、ターボとスーパーチャージャーのダブルの過給により、2リッター越えのトルクと低燃費を実現し、市場からは驚きをもって迎えられた。その年の「ベストニューエンジン」や2008年と2009年の「インターナショナル オブ ザ イヤー」に選ばれたほか、2006年からは9年連続でカテゴリー表彰を受けている、世界中のジャーナリストたちが評価する現代の名エンジンなのである。
今回の受賞エンジンを日本では、140ps~170ps仕様のものを導入しており、「ポロGTI」、「ゴルフトゥーラン」、「シャラン」、「ティグアン」に搭載している。
コンパクトカーのポロやハイパフォーマンスモデルのゴルフR、上級セダンCCと幅広くその性能を発揮するTSIエンジン。あなたが想像するより小さな排気量のエンジンから生み出される力強り走りをまだ未体験ならば、ぜひ一度体感していただきたい。