寺院の本尊を安置する宮殿(くうでん)や、須弥壇(しゅみだん)などを手がけるウナテ工房が、テーブルや椅子をはじめ、ティッシュケース、カトラリーなど、生活の中で日本の伝統と木のぬくもりを感じられる製品を販売している。
本記事では、古くから伝承されてきた宮殿師(くうでんし)の技を未来へと受け継ぐ新しいかたちとして、日常を上質に彩る製品を紹介したい。
伝統技法を活かした「ウナテ工房」の手仕事
ウナテ工房は初代の宇奈手正博氏が、とある本の中で一体の仏像彫刻に出会ったことから始まる。木であるはずの仏像から感じられる圧倒的な生命感、造形、宮殿の美しさには、数百年前から受け継がれた伝統の技が感じられたという。
宮殿師は本堂の中にある、仏様を安置する場所を作る専門職。柱抜きから瓦にいたるまでの小さい木の部品を接着剤でつなぎ、作り上げていく。
そういった、古くから受け継がれた宮殿師の伝統技法を活かし、日常使いできるアイテムを開発することで、現代の生活をもっと豊かに彩り、伝統技術を未来へと継承できるのではと考えた。
一つ一つ丁寧に向き合って作り出される品々はぬくもりを感じられ、忙しい日常の中でも、ほっと一息つけるきっかけにもなる。
ウナテ工房の宮殿師がつくる、日常に寄り添うアイテム
ウナテ工房では各宗派の神輿などの神仏具を、手仕事で製造している。ここでは宮殿師が守り、育ててきた技術を活かした、日常にも気軽に取り入れられる製品を紹介しよう。
中でも感性のままに作り上げた唯一無二のベンチは、木製でありながらも複雑な形に仕上がっている。美しく優雅であり、機能的な佇まいが特徴だ。
伝統技術を新しい時代へ繋ぐ「ウナテ工房」
ウナテ工房は図面では無く、「杖」と「型」で宮殿を製造している。杖は2cm角で長さ2mほどの棒。この棒一つで宮殿の間口、奥行き、高さ細部の振分けなどを書き込む。そして、型は屋根などの曲線や重なり合う所の角度などを書き込んでいく。
完成品からは見る事が出来ない木地だが、本尊を安置する大切な所。見えない部分まで精密な仕事で手を抜く事はない。脈々と受け継がれてきた伝統を守り、継承していくことがウナテ工房の使命だ。
ウナテ工房が展開するコーポレートサイトとオンラインショップでは、商品と共に開発ストーリーも公開している。一つ一つ丁寧に命を吹き込み、形を作り上げていく宮殿師の手仕事。そこから生まれた木のぬくもり、そして経年による変化も楽しめそうだ。
コーポレートサイト:https://kuuden-shi.jp/
オンラインショップ:https://online.kuuden-shi.jp/
(hachi)