伝統的な美しさを持ち、背から座にかけて連なった合板がスプーンのような椅子。それが古くからあるものと現代性を両立させた「SAJI」だ。デザイン的にも注目の、この椅子について紹介する。
合板がスプーンのような椅子「SAJI」が誕生
これまで、インテリア界の数々のデザイナーが中国・明時代(1368~1644年)の椅子「圏椅(クァン・イ)」に注目し、独自の解釈でリデザインしてきた。日本では「Yチェア」の愛称で有名なハンス・J・ウェグナーが手掛けた「CH24」なども、当時のこの時代の椅子を原型にデザインしたと言われている。
今回は「ありそうでなかった椅子」をテーマに、古くからあるものと現代性を両立させたプロダクト「SAJI」を作り上げた。
「SAJI」を販売するセイアローズは、国内外の工場のメリットを活かした家具の企画・製造・販売を行っている家具メーカーだ。中でも特注家具を得意としており、豊富な経験と知識を用いた家具を数多く生み出している。
同アイテムは、セイアローズで多数のプロダクトをデザインしているMATO氏がデザイン。また、世界的な椅子の生産地、北イタリアのウーディネで製造されている。
モダンな雰囲気も醸し出す椅子「SAJI」
幅525mmとアームチェアとしてはコンパクトなサイズ感の「SAJI」。本来はダイニングチェアとして開発された同チェアは、背の傾斜を大きくとらず、美しい姿勢をサポートするように設計されている。
緩やかにカーブを描く笠木のフォルムは曲木を用い、前後の脚を斜めに繋いだ幕板のバランスは、タイムレスなデザインでありながらミニマルでモダンな雰囲気。日本の和空間から、シンプルで無機質なモダン空間、ラグジュアリーな空間など、様々なジャンルのインテリアに合わせられる逸品だ。長く家具を使い続けたい人にもぴったりの椅子と言えるだろう。
ホワイトアッシュを使用したカラーは、ホワイトナチュラルとブラックの2色展開。艶消しのマットでサラッとした質感の塗装をしている。
背座にクッション張りをしたタイプもあり、生地でカラーのエッセンスを加えることで印象が変わる点も面白い。
ありそうでなかった特別な椅子「SAJI」。自宅のインテリアの中で特別な存在感を放ちそうだ。
SAJI
素材:座/アッシュ成型合板、フレーム/アッシュ材
サイズ:W530×D550×SH440(460)×H790×AH625
価格:¥63,000~
公式ページ:https://seiarrows.com/product/series/SAJI/
(IKKI)