新潟県上越市には、由緒ある4つの名家、白田邸、瀧本邸、林富永邸、保阪邸が現存している。「上越名家ネットワーク」は、民家として維持されてきたこれらの名家を、5月14日(土)、15日(日)の2日間で一斉に公開。各邸の魅力を伝える。
本記事では、今回、お目見えする各邸の特徴と、それぞれの場所で開催予定の催し物を合わせて紹介したい。
歴史的建造物の魅力を味わう「上越名家一斉公開」
豪華な襖絵や欄間が残る「白田邸」
白田邸には、明治天皇御小休座敷「玉座の間」が移築されており、豪華な襖絵や欄間を目にできる。庭を一望できる入側の柱の間は5間とばし。とある研究では、全国で10例も残らない貴重な造りとも言われている。
白田邸では、越後高田の大あめや、400年の歴史を持つ老舗和菓子屋「大杉屋惣兵衛」が出店販売。家伝の水飴に寒天を加えて、四角いゼリー状に固めた銘菓「翁飴」は一食の価値ありだ。
宮大工による書院造や池泉回遊式庭園を観賞できる「瀧本邸」
瀧本邸の象徴である主屋の玄関の奥に進むと、宮大工による総檜の書院造の離れ(懐徳亭)や上越市を代表する池泉回遊式庭園を観賞できる。広く静寂な苔庭の中には、当時使用されていたお茶室も。
瀧本邸ではマルシェを開催。ご当地ラーメンやベーカリー、スイーツ、コーヒー、雑貨やアパレルなど、上越を代表する店が集結する。
今も住居として使われる文化財「林富永邸」
1883年に建てられ、築130年を超える林富永邸は今も住居として使われている珍しい文化財だ。邸宅を象徴する茅葺き屋根の主屋は、豪快なけやきの梁組みで構成された農民仕様の部屋と、書院造の武家仕様の部屋に仕切られている。
林富永邸では、散策の合間に「カフェハヤシ」でひと息つける他、地元で採れた野菜や米、雪中梅 酒蔵フェイスマスク「美守」の販売も実施する予定だ。
繊細な装飾が目を引く「保阪邸」
主屋の数寄屋造が印象的な豪農の邸宅「保阪邸」。内部には繊細な装飾が数多く施されている。美術品収集家でもあった保阪家の持ち物は、魅力的で珍しい物が多い。庭の散策も見ごたえ抜群だ。
保阪邸では、蔵でフリーマーケットを開催予定。
当時の趣を感じられる旧家で、歴史に触れ教養を育んでみては。
上越名家一斉公開 -春-
公開時間:午前10時〜午後4時
入場料:各邸500円他
所在地:
白田邸ー上越市頸城区森本703
瀧本邸ー上越市頸城区百間町711
林富永邸ー上越市三和区神田2245
保阪邸ー上越市戸野目488
越名家ネットワーク:https://joetsu-meika.com/
(IKKI)