女性写真家のファインダーを通した、本来の人の姿を赤裸々に表現した作品を銀座で見ることができる。
1976年に初めての作品として“パリの路上に立つ娼婦たち”を撮影して以来、視覚障害をもつ子供たち、女性服役囚、地雷の犠牲者、AIDS患者など、自らの苦難に向き合い生きる人々の姿を撮影している写真家、ジェーン エヴリン アトウッド。
今回、銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて「Soul ジェーン エヴリン アトウッド展」が5月8日まで開催される。
「ジェーン エヴリン アトウッド」日本初の個展
1970年代からパリを拠点に活動を続けるアトウッドは、アメリカの写真家、ダイアン・アーバスが写す人々に関心を持ち、「閉ざされた世界」に生きる人々を理解しようと、様々なシリーズ作品を生み出してきた。
アトウッドは、“社会における排除(排他)”という概念に興味を抱き、我々の多くがその存在を知らない、もしくは見て見ぬふりをしている世界に入り込んでいく。
過酷な現実をそのカメラで捉え生み出したイメージは、直接的でありながらも繊細で、冷酷さや搾取的な印象を与えることは決してない。
アトウッドが表現するすべての魂を感じてほしい
1995年の阪神・淡路大震災直後に来日してから27年振り、3度目の来日となったアトウッド。彼女は今回の個展について、次のようにコメントしている。
「作品を完成させたら、もはやそれは私のものではありません。
自分の写真が人々の心を動かすことができるなら、とそのことだけを願っています。今回の展示では、シリーズ別や年代順といった従来の展示構成は行いません。
被写体のひとりひとりに光を当て、“私”の、被写体の、そしてすべての魂[Soul]を感じてほしい。写真を撮ったところで何の役にも立たない、と時に思うこともあります。それでも、とにかくやらなければならないのです」
この機会に足を運び、彼女のSoulを感じてみては。
Soul ジェーン エヴリン アトウッド展
会期:3月30日(水)~5月8日(日)11時~19時(最終入場18時30分)
入場料:無料
会場:シャネル・ネクサス・ホール
所在地:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
CHANEL NEXUS HALL:https://nexushall.chanel.com/program/2022/soul/
※混雑時は入場制限あり
(IKKI)