1樽で3種の酒を蒸留・醸造する、ウイスキーとビールのバレルリレー

ウイスキー蒸留所とビール醸造所が、同じバレル(木樽)を使ってリレーのようにお酒を蒸留・醸造する取り組みが行われている。

ホップジャパンと笹の川酒造は、日本ではまだ珍しい、ウイスキーの樽を共有するスタイルのビール、ウイスキー醸造に着手した。

ウイスキーとビールを同じ樽で作る

コラボにいたるまでの経緯

日本酒金賞受賞7年連続日本一の福島県郡山市にある笹の川酒造。1765年創業の歴史ある老舗酒蔵の代表・山口氏より「バレルエイジビールを一緒に作らないか」とホップジャパンに声がかかり、今回のコラボレーションが決定した。

バレルエイジドビールとは、ビールをバレル(木樽/Barrel)で熟成させる「バレルエイジ」という手法で作るビール。海外ではメジャーなスタイルだが、国内ではまだまだ認知度が低く、醸造しているブルワリーも限られている。

リレーされる樽

笹の川酒造では、アメリカから輸入したバーボンの樽にウイスキーを入れ、バーボンの芳醇な香りがあるウイスキーをつくっている。

その後、空になった樽をホップジャパンに移送し、アルコール度数9.5%と高めの「インペリアルIPA」というビールを入れて3か月~半年熟成。バーボン・ウイスキーの風味がある「バレル(樽)エイジドビール」と言われるスタイルのビールが完成。

さらに、ビールを出荷した後の空き樽を笹の川酒造に戻し、再びウイスキーを入れて熟成させることで「IPA Cask Finish Whisky」と言われる、ほのかにホップの香り漂う上品なウイスキーに仕上がる。

各商品の発売予定時期は、インペリアルIPAが2月1日から、バレルエイジドビールは4月~8月、そしてカスクフィニッシュウイスキーは2022年冬頃となっている。

樽に入れる前の原酒「Imperial IPA」発売

ホップジャパンでは昨年12月、樽にビールの充填を終え現在熟成中であるが、今回は樽に入れる前の原酒であるImperial IPAをボトルで発売する。

Imperial IPAはダブルIPAとも言われ、通常のIPAの2倍原料を使い、度数が高く重厚なボディーと華やかな香りが特徴のビールスタイル。ホップジャパンならではのホップを大量に使用した、10%近いアルコール度数のインペリアルIPAが完成する。

複雑かつ多重的に感じられるようホップを強めに効かせ、アロマホップを5種類使用し、投入タイミングも6段階に分け、苦味付けに自社ホップをふんだんに使用した。

面白い試みの酒造り。一つの樽でできるそれぞれの味わいを試してみては。

Imperial IPA
販売期間:2月~売切次第終了
アルコール分:9.5% 非加熱処理
容量:330ml
価格:850円(税込)
笹の川酒造公式サイト:https://www.sasanokawa.co.jp/
ホップジャパン公式サイト(オンラインショップ):https://hopjapan.com/

(田原昌)