丹精を込めて育てた品川カブへの思いをアピール。江戸東京野菜「品川カブ」の品評会「第8回品川蕪品評会」が12月26日、品川神社境内に二年ぶりに開催される。
■12月26日、江戸東京野菜「品川カブ」品評会開催
「品川カブ」は、江戸時代に品川宿周辺で栽培されていた長カブの一種。
長さ20センチメートルほどで見た目は大根に近く、主に漬物などに加工されていたが、明治以降は生産が減り文献上のものとなっていた。
この品川カブを復活させたのが「東海道品川宿なすびの花」代表の大塚好雄氏だ。以降、幼稚園、学校、区民農園、菜園愛好家などに種子を配布し、生育指導を行うなど品川カブ普及に尽力している。
「品川蕪品評会」は、2012年にスタート。前回、2018年に開催した際は、開始以来最多の46団体・個人が出品し、会場となった神社の境内は大勢の人でにぎわった。2019年は不作で中止、2020年は新型コロナ感染症拡大により中止となったため、今回は2年ぶり8回目の開催となる。
■江戸東京野菜の文化を子どもたちに伝える
品評会では審査員が、収穫された品川カブの形や大きさ、葉の色や全体のバランスなどをチェックするほか、「小学校の部」では品川カブを育てた子どもたちが種まきから収穫までにがんばったことや工夫したことなどをプレゼンテーションする。
例年、歌や劇仕立てにするなど団体ごとに工夫をこらしたアピールも見どころだ。
これまでは全ての部門を会場で一括品評していたが、今年は新型コロナウイルス感染症予防ために部門別の審査となっている。また、例年会場で振る舞っていた品川カブ入りの「品川汁」は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して提供しないことになった。
一度は途切れた江戸東京野菜の文化を継承して、未来に繋げていく品評会。東京で農業をする、という意味を考える機会にもなりそうだ。
「第8回品川蕪品評会」
開催日時:令和3年12月26日(日)10時~正午
会場:品川神社
所在地:東京都品川区北品川3
※当日は、「一般の部」の品評と各部の表彰(一般公開)
※「小学校の部」は、12月22日にオンライン品評会を開催
(冨田格)