老舗料理旅館の、コロナ禍を乗り越えるための挑戦。
■コロナ渦の今、できる事に挑戦
嵐山の中心にある、おもてなしの料亭・温泉旅館「嵐山辨慶」。
平安の時代から1200年以上、今なお四季折々の絶景で人々を魅了する名勝「嵐山」の自然美を借景に、大堰川のほとりに宿を構えて半世紀。
“心和む宿”として創業以来培った、一期一会のおもてなし精神で、嵐山辨慶でなければ体験することのできない温泉と風情、京料理の伝統を重んじつつ、新たな要素を取り入れた料理を提供している。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、旅館業は多大な影響を受けている。危機的状況が続く今でもあきらめず、出来る事を少しずつ、前を向いて未来に繋げていきたい。宿泊が困難な状況でも、丹精込めた料理旅館の一品を味わってほしい。
そんな“想い”の詰まった『炙り鯖寿司』が誕生した。
■辨慶の隠れた名物『炙り鯖寿司』
宿泊客に提供する料理のメインではなく、中盤に出てくる焼き物の一つとして料理長が考案した「炙り鯖寿司」。
四季折々の素材を活かし京料理の伝統に一品一品、試行錯誤と創意工夫を重ねてきと納得を提供している辨慶流会席料理。その中でも、この「炙り鯖寿司」は好評の一品だった。
コロナ禍中、試験的に持ち帰り用として数量限定で販売したところ、予想外の反響があった。そこで、食品衛生法上必要な賞味期間の保存試験を経て、宅配やオンラインでの物販事業の柱として販売を開始することになった。
■細やかなこだわりが詰まった一品
料理長が厳選した脂の乗った鯖は表面を炙ることで旨味を引き立てる。また、特製の酢飯には椎茸と干瓢を炊いた具材と三大京つけものの一つであるしば漬を入れ込んであり、シャリだけでも絶妙な食感と味わいを生み出す。
一本の鯖寿司は尾にいくに連れて、酢飯の割合が増えてしまい均一に味わえない弱点があるが、辨慶謹製の「炙り鯖寿司」は尾の部位を切り落として酢飯に混ぜ合わせる事により、余すところなく鯖の旨味を味わえる工夫を凝らしている。
仕上げには、振り柚子によるほのかな香りで包むことで濃厚な炙り鯖に鯖のほぐし身による旨味たっぷりの酢飯、特製の具材にしば漬のアクセントを振り柚子が爽やかに繋ぐ様な感覚を味わえる。
「嵐山辨慶」では、この「炙り鯖寿司」を発端として、「鍋料理セット」や「甘味類」、嵐山の四季を感じられるオリジナルパッケージの「アイスクリーム」や「鱧寿司」などの季節の一品、と自宅で嵐山辨慶の一片を楽しめる商品を発売していく予定だ。
コロナ禍でダメージを受けている旅館業を、美味しく応援できる「炙り鯖寿司」。敷居が高く感じる老舗料理旅館の味を気軽に楽しめるのも嬉しいところだ。
嵐山温泉 嵐山辨慶
所在地:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町34番地
公式サイト:https://benkei.biz/
炙り鯖寿司 注文ページ:https://kyotobenkei.shop-pro.jp/?pid=156590483
(冨田格)