再び長野県でホップが収穫できるよう、町おこしの思いも込めたプロジェクトが始動。
ホップ株のオーナー権は2日で完売し、クラウドファウンディング『マクアケ』にて156%を達成するという、注目の内容だ。
乗鞍に生まれ育った良波岳と埼玉出身の岡部亮介は、長野県乗鞍高原という自然豊かな土地で、2016年からホップの栽培を行い、今回、長野県松本市のブルワリーならびハーブティーメーカーとコラボレーションしたクラフトビール、ホップハーブティーをクラウドファウンディングサイト『マクアケ』を通じて販売開始した。
■長野県でのホップ栽培
長野県は、昭和の初期まで日本のホップ生産量のほとんどを占め、国産ビール醸造の重要拠点ともされていた。乗鞍高原でも、ホップを栽培していた歴史がある。
しかしながら現在、ホップ生産者の高齢化や後継者不足などにより、日本産ホップは生産量が年々減少していて、ほとんどがドイツやアメリカなどからの輸入に頼っている。また国内産のホップも、大手ビールメーカーとの契約農家が栽培しているのがほとんどのため、一般に国産ホップを入手することは困難な状況だ。
■「乗鞍ホップ」への想い
そこで、再び乗鞍高原で“ホップ”を育て、”ホップ”で地域を元気にする=新たな産業、観光、雇用の創出が出来ると考え、2016年よりホップ栽培を開始した。大自然が生み出す良質な”乗鞍ホップ”で、衰退しつつある日本産ホップの新たな挑戦、そして価値を高めていくことができるのではないかと考えている。
日本でクラフトビールを造るなら”乗鞍ホップ”といわれるように、”乗鞍ホップブランド”を日本全国へと広げていきたいと願っている。
■乗鞍高原とホップ生産
乗鞍高原は、壮大な北アルプスの乗鞍岳(3,026m)の麓に位置している。そのため、標高が高く厳しい自然環境であるがゆえに、冬の寒さがひときわ厳しく、夏はとても涼しいため、ホップを生産するのに非常に適しており、恵まれた環境にある。
乗鞍高原のホップの特徴は、風味が強いホップであり、標高が高いので病気になりにくい。自然に近い状態で育つ、良質なホップだ。また、百名山・乗鞍岳によって西日の日焼けから守られているホップであるのも特徴。
■ビール以外で注目されているホップ
主にビールの原料の一つとされるホップだが、ヨーロッパでは元々、リラックスや鎮痛効果の期待できる薬としても利用されていた。昨今のハーブティーブームの中で、ホップ入りのハーブティーも国内で高額で販売されているが、海外産のホップが主流のようだ。
そこで現在、ホップの栽培のみならず、加工・販売までを一貫して行うことができる体制づくりを目指して、協業できる様々なパートナーも探しているという。
『乗鞍ホップ』が大きく育つように、見守りたい。
プロジェクトページ:https://www.makuake.com/project/norikura_hop/
(田原昌)