育ってきた環境が自分とは異なる新入社員をどうやって指導すればいいのか、悩んでいる人必見のレポート。
■第七世代の今年の新入社員にどう対応すべきなのか
企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開する「ジェイック」は、今春行った 2021年新入社員向け研修を踏まえ、経営者、上司、人事が知っておくべき「新入社員の特徴と指導ポイント(2021年版)」を発表した。
このレポートは、2012年より毎年、「ジェイック」が実施する新入社員研修の登壇講師が中心となって作成しているもので、企業から寄せられる「新入社員の思考や指導方法がわからない」、「職場で実践できる指導方法を知りたい」、さらに昨年より増加している「コロナ禍での新人育成方法を知りたい」といった声に応える内容となっている。
■2021年新入社員が生まれ育った背景とは
4年制大学にストレートで入学し、卒業した場合の2021年に入社した新入社員が生まれたのは1998年。
3歳となる2001年には一般家庭にブロードバンドの普及が始まる。物心つく頃には身の回りにインターネットを中心としたデジタル環境がごく普通に存在しており、「デジタルネイティブ」と言われる世代だ。
新入社員たちはオンラインで流暢にコミュニケーションすることに慣れている一方で、なるべく同調したり“悪い意味で目立たない”ようにしたりすることにも慣れ親しんでいる。なるべく波風を立てぬようコミュニケーションを交わし、言いたいことは気心知れた一部の友人にのみ明かすといった人間関係で育ってきた世代とも言えるだろう。
■2021年新入社員の「7つの特徴」
オンラインへの圧倒的親しみ
大学の授業・ゼミ・就活等がすべてオンライン化し、対面でのビジネスマナー等に関しては例年よりも身に付いていない。
コミュニケーションへの飢え
対面でのサークルやゼミは大きく制限されてきた。上の世代に壁を作るといった傾向もなく、むしろフラットに話しかけられる。
コロナ禍で形成された危機意識
近年の売り手市場とは異なる状況での就職活動をへてきたので、地に足がついた人が多い。
“個”を中心とする新しい価値観
会社で昇進するより私生活を充実させたい。彼氏・彼女を大切にしながら働きたいと考える。
多様な価値観への慣れ
将来像や自身の価値観がハッキリしている人が多い。また、他の人の価値観に対して私見やコメントを挟む人がいない。
“正解”探しの習慣
みんなの前で間違った回答をすることを避けたい意識が強い。また、答えがない問いに対して決断できない。
周囲からの承認欲求
SNSで“いいね!” をもらうことに慣れているため、努力・頑張ったことを承認してあげないと不満要因になる。
■2021年新入社員を指導する「5つのポイント」
価値観を押し付けない
他者から価値観を強要されることは非常に嫌う傾向がある。自分たちや組織の価値観を一方的に押し付けると、簡単に心が離れる。
指導するときは客観的に理由と背景、基準を添える
指導する対象を「価値観」ではなく「言動」にフォーカスする。感情的に怒られると“理解できなくなる”“相手に心を閉ざす”。
“自分事”と感じられる伝え方をする
新入社員自身にとって「自分自身のメリット(デメリット)」と感じてもらえる伝え方をする。「この言動を継続すると、あなたが周囲にどう見られてしまうのか」といった形でデメリットを伝える。
答えを自ら導き出すための「ヒント」を提示する
自ら考えたり場に相応しい言動に気付いて行動したりするには“前提となる知識や経験”がいる。自ら考えて“答えを決める”経験が増えないと主体性は発揮されづらい。
進歩や努力など、一つひとつの行動を承認する
相手が挑戦した時には、しっかりと相手の挑戦を承認する。承認の言葉を怠ると、「せっかくやったのに」など不満要因になるケースもある。
新入社員への対応で頭を悩ませているなら、より詳細なレポートをダウンロードして研究してみてはいかがだろう。
「新入社員の特徴と指導ポイント(2021年版)」
ページ数:25ページ
発表日:2021年5月20日(木)
ダウンロード:https://www.hr-doctor.com/download/education/online/newcomer_training_features_develop_point?content=newcomer_training_features_develop_point
(冨田格)