今やどのホテルでも開催されている、アフタヌーンティー。いずれを選んだら良いのか迷ってしまう所だが、今回は秋の味覚である「栗」をメインに食べられるアフタヌーンティーを探してみた。
到着したのは目黒駅。「行人坂」という、驚くほど急勾配の坂を降りると目黒川に至る。その手前にあるのが、「ホテル雅叙園(がじょえん)東京」だ。
「目黒雅叙園」からリニューアルオープンし、白壁の和風の屋敷と洋式のビルが一体となったような姿になっていた。内装も旧雅叙園から使用したものも多く、まさに美術館のようなホテルだ。
一階をずっと進んでいくと、水に囲まれた「招きの大門」という巨大な門があり、その先にレストランやバーが並んでいた。
ここに、「KANADE TERRACE(カナデテラス)」がある。アメリカングリルが楽しめるレストランだが、今回はこちらのレストランでアフタヌーンティーを堪能することにした。
まずはウェルカムドリンクのシャンパンと、ノンアルコールカクテルで乾杯。
それ以降は紅茶やコーヒーから飲み物を選ぶのだが、今の季節にぴったりな「マロングラッセフレーバーティー」と「メープルロイヤルミルクティー」がおすすめ。口元に持っていくだけで広がる栗の香りは、飲み物まで「秋」を感じさせてくれる。
いよいよセイボリーのプレートと、スイーツが乗っているティースタンドが運ばれてくる。
見た目にも美しく、秋らしい色合い。ひとつひとつにこだわりの込められた、セイボリーとスイーツだ。
「秋の果実のアフタヌーンティー」と称するそれは、秋の味覚である「栗」や「ぶどう」などをうまく取り入れて作り上げられたスイーツが味わえる。
「さつま芋のクリームスープ」を頂くと、驚くほど濃厚で豊かなさつま芋の味が口一杯に広がった。思わずほっこりとする。
スイーツは、「無花果のフランボワーズのタルト」や、和栗がごろっと入った「和栗のパウンドケーキ」、さっぱりとした「巨峰とシャンパンのジュレ」など、味と香り、歯応えなど変化をつけて楽しめるようになっている。
なかでも「くるみと和栗のモンブラン」は、栗らしさが堪能できる逸品。甘すぎない和栗の香りと味わいが、この小さなモンブランに詰まっていた。
ゆったりと紅茶とスイーツを楽しんだ後は、雅叙園内にある庭を散策。滝の音と水しぶきが清々しい。
秋らしさを味わい、ホテルの美術品も楽しめる素敵なアフタヌーンティーだった。
きっと春夏秋冬、それぞれに楽しめることだろうと思う。ホテル内の散策も兼ねて、訪れてみてほしい。
「秋の果実のアフタヌーンティー」
期間:2020年9月1日〜9月30日、11月1日〜11月20日
(田原昌)