今、話題の単行本『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』をご存じだろうか?
この本の著者でもある山口健太氏(一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事)の活動はさまざまなメディアの注目を集め、書籍は発売後間もなく重版を達成。
東京、大阪、名古屋、福岡で開催された出版記念読書会は参加希望者が相次ぎ、全会場で満席を記録した。
そんな大人気の読書会が、過去4回の読書会に参加できなかった会食恐怖症の当事者のリクエストに応えるかたちで2019年1月に札幌、仙台で追加開催決定。そこで今回は読書会の内容について、山口氏に話を聞いてみた。
■多くの人に会食恐怖症を克服してほしいという願いを込めて…
・ご自身初の単行本『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』の重版が決定し、山口さんの活動がさまざまなメディアの注目を集めています。このような中で読書会の追加開催を決めたのはなぜでしょうか?
今、会食恐怖症に悩まれている方にとって、他の当事者の方と会うことが、克服に向けた大きな一歩になると感じているからです。住んでいるエリアが近い人同士がお互いにつながり、一緒にごはんを食べる練習をすることで克服に至ってほしいという願いを込めて、全国のさまざまな都市で行っています。
・今年11月から12月にかけて全国4会場で開催された読書会は、全会場で満席となりました。
このようなリアルでの集まりを始めたばかりのころは、参加者が1人だけということもありました。それが今ではとても多くの方が参加してくださるようになり、感謝の気持ちでいっぱいです。
・読書会にはどのような方が参加されるのでしょうか?
実際に会食恐怖症に悩まれている方が多いですね。年齢層は20代、30代が中心ですが、中には親子で参加してくださった方もいました。
・会食恐怖症とはどのようなものでしょうか?
会食恐怖症は、人前でごはんを食べること(会食行為)への不安や恐怖が大きく、実際にその場面では何らかの症状が出てしまいます。具体的には、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害(食べ物が飲み込めない)、口の乾き、体(手足)の震え、発汗、顔面蒼白、呑気(空気を飲み込んでお腹が張る)、緘黙(黙り込んでしまう)などが主なところですが、症状の出方や程度は人によってさまざまです。
■参加者同士の交流の場にも
・読書会の内容を少しだけ教えてください。
まず、私が書籍の中から克服のために特に大切なポイントを抽出して解説します。そして参加者の方の質問にできる限りお答えします。その他、参加者の方同士が交流し、親睦を深めていただく時間もご用意しています。
・参加されたみなさんの反応はいかがですか?
会場に来るまでは緊張や不安を抱えている方が多いですが、最終的には「来てよかった」という声が大半です。読書会が終わったあとは、会場で出会った方同士で、お茶会をした方などもいるようです。
・会食恐怖症の自覚症状がないまま、悩みを抱えている方も多いのでしょうか?
「長年苦しんでいたこの症状に名前が付いていて、しかも克服できることを最近知りました!」というメールは、今でもよく届きます。そのような方はやはりまだ多いのだと思います。
・書籍の発売後、学校や家庭での行き過ぎた完食指導の問題が社会的にクローズアップされました。完食指導をきっかけに会食恐怖症を発症する方は多いのでしょうか?
日本会食恐怖症克服支援協会が当事者の方に対して行ったアンケートでは、384人の回答者のうち240人の方が「完食指導が会食恐怖症のきっかけになった」と回答しました。これは全体の62.5%に当たりますので、半数以上の方が完食指導の影響があると考えているようです。
・最後に、読書会に参加してみようかな、と迷われている方にメッセージをお願いします。
初めて参加するときは緊張したり、不安な気持ちもあると思います。ですが、そういった方でも「参加してよかった!」と思ってもらえるように、精一杯準備していますので、ぜひぜひ足を運んでみてください。
注目の読者会は2019年1月12日に札幌で、翌13日に仙台で開催。
会食恐怖症を抱える人にとって多くの仲間との出会いや交流は、克服のための大きな一歩にもなりそうだ。
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