野生の鹿と出会える無人島!鹿児島県「あくね大島」

鹿児島県薩摩半島の北に位置する阿久根(あくね)市。ここに野生の鹿と出会える無人島があるというので訪ねてみた。

肥薩おれんじ鉄道の阿久根駅から歩いて約20分。漁港を抜けた所に渡船場がある。そこで往復の切符を購入し、船に乗った。

いざ出航!船は阿久根港を出るとやがて外海へ。穏やかで美しい海の先に、目的地の「あくね大島」がぽっかりと浮かんでいる。

約10分で島に到着。船着場は島の大きく湾曲した部分の端にあり、その先に砂浜が広がっている。

「日本の快水浴場100選」にも選ばれたという砂浜は、波があまり荒くないので子供連れにも良さそうだ。

島の中央に当たる砂浜の目の前には管理棟が立ち、そこから左右になだらかな丘となっており、松が多く生えていた。

その丘を登ろうとした時、ひょっこりと現れたのが野生の鹿。「マゲジカ」といい、この無人島に暮らす住人だ。

立派な角の生えた大きいオスは悠々と草を食べたりしながら、人を怖がる様子もなく、のんびりと浜の方を散歩している。海辺に鹿という、面白い写真が撮れるのもここならでは。メスや仔鹿たちにも会うことができたが、彼らはさすがに警戒心が強かった。

丘を登り、島の北側に出ると、そこは浜辺とは対照的に絶壁になっている。

目の前に広がる東シナ海。その水平線の先に陽が沈む様子は絶景だ。

このあくね大島にはバンガローなどの宿泊施設も完備されている。

船が終わればまさに隔絶された感があるが、頭上に広がる満天の星、鹿の鳴き声を聞いて目覚める朝は普通では経験できない素晴らしさ。

ちょっとだけ町から離れて自然を楽しむには、絶好の無人島だった。

(田原昌)