チェコという国は、ビールに対する情熱が半端ではない。ピルスナービールの元祖である「Pilsner Urquell(ピルスナーウルケル)」や、アメリカのビールと間違われやすい「Budweiser Budvar(ブドヴァイゼル ブドバー)」などの大手ビールを扱っている店はもちろん多いのだが、そればかりではなく自家醸造ビールを提供しているレストランやパブも驚くほど多い。
そのため、チェコの様々な都市でそれぞれの地方ビールだけでなく、それぞれのレストランでも独自のビールが味わえるので、その種類の多さは計り知れない。
チェコの東部、ポーランドに近い文化都市Olomouc(オロモウツ)。観光の中心となっている、旧市庁舎や天文時計のある「Horní náměstí(ホルニー広場)」近くに、そんな自家醸造ビールを提供しているレストランを見つけたので訪ねてみた。
店内に入ると、巨大なタンクがお出迎え。また、部分的に床が透明になっていて、地下で作られているビールの様子(発酵中のもの)を見ることが出来た。
これは実に面白い。ビール造りを進めている中で、その出来たてのビールが飲めるという趣向だ。
チェコの料理は日本人の口に合うと思われる。店によっては少々味が濃い物もあるが、それはビールに合わせて作られた料理だと思って、飲みながら楽しんで頂きたい。
大きなカマンベールチーズのフライ、肉料理にスープ。いずれも、ビールにとても良く合うのだ。
オロモウツには、名物のチーズがあるというので大きなチーズ屋に立ち寄った。ガラスケース一杯に並べられたチーズを見ていると、ここが酪農で有名な地域である事を思い起こされる。
中にはチューブ入りの物もあって驚いた。持ち歩きや、お土産にはいいかもしれない。
名物チーズは「Tvarůžky sýr(トゥヴァルーシュキ チーズ)」といい、その独特な味というか臭みにハマる人もいるのだという。オロモウツ周辺、スロヴァキアにかけてはワインも有名な地域なので、そのモラヴィアワインと共に頂くのがおすすめ。
様々な種類のビールに地方特有の美味しいもの。国土は狭くても、チェコはやはり面白い。
(田原昌)