建築的視点をアートに落とし込む。オオタキヨオ氏の個展「Grid」が東京・青山で開催

「ADF(青山デザインフォーラム)」が「ADF Art Gallery Project」の第32回企画展として、オオタキヨオ氏の個展「Grid」を2月21日(金)から3月8日(土)まで東京・青山のGARDE Galleryで開催する。

建築的な視点を軸にしつつ、視覚・空間・秩序などをテーマに掲げ作品を制作するオオタ氏。世界観を再考する一助となる、彼の作品群に注目したい。

Kiyoo Ota「Diamond Structure」

Kiyoo Ota「Diamond Structure」

遠近法の錯覚や限界に挑む個展「Grid」

グリッドとは一般的に、建築やデザイン、数学、都市計画など、さまざまな分野で用いられる概念のことを指す。規則的に配置された線や点による網目構造となっており、主には秩序であったり、構造を視覚的に示すフレームワークとして機能する。

しかし、そんなグリッドであっても、他の力学や視覚的効果と交わることで予期せぬ変化が起こることがある。

オオタ氏は、今回の個展でそんな“グリッド”が持つ可能性を多角的に探求。特に視覚的な干渉現象である“モアレ”を通じて、静的な秩序が揺らぎ、動的で不確定な空間が生まれる瞬間を表現する。

Kiyoo Ota 「Flower Diagonal Stainless Steel」

Kiyoo Ota 「Flower Diagonal Stainless Steel」

建築では、透視図法を用いて描かれた立体的な図のことを「パースペクティブ」と呼ぶ。これは人々に空間や構造を理解させると同時に、視点を限定するフィルターの役割も果たしている。

オオタ氏は、建築の基本形であるキューブを解体し、再構築するプロセスを通じて、こうした「パースペクティブ」でも用いられる遠近法による錯覚、そしてその限界に挑戦する。

Kiyoo Ota「Stainless Steel Cube 150」

Kiyoo Ota「Stainless Steel Cube 150」

建築的視点と共に作品を作るオオタキヨオ氏

オオタ氏がなぜ、このように建築的な視点を作品に取り入れているのか気になった人もいるだろう。

実はオオタ氏は、2005年に京都大学工学部建築学科、そして2007年に東京大学大学院工学系研究科を修了した、建築の世界と非常に縁深い人物。

彼がグループ展やアートフェア、個展を通じて作品の発表を始めたのは2023年とここ最近のこと。香港や上海などアジアでも精力的に活動しており、じわじわとファンの数を増やしている。

Kiyoo Ota 「Metabolism」

Kiyoo Ota 「Metabolism」

これまで多くの若手アーティストの作品を紹介してきた「ADF Art Gallery Project」。今回の個展もまた、建築的視点とアートの融合が見られる場所として、多くの人々を魅了しそうな予感だ。

ADFアートギャラリープロジェクトVol.32 オオタキヨオ 個展「Grid」
会期:2月21日(金)~3月8日(土)
時間:11時~18時
会場:GARDE Gallery
所在地:東京都港区南青山5-2-1 NBF ALLIANCEビル4F
入場料:無料
公式ページ:https://www.adfwebmagazine.jp/art/adf-art-gallery-project-vol-32-kiyoo-ota-solo-exhibition-grid-to-be-held/
※日・祝は休廊

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000039033.html

(IKKI)