神奈川県の箱根町にある「ポーラ美術館」では、「新収蔵 ピカソ ヴォラール連作100」を開催中だ。
この展示会は、同館のコレクションに加わった、ピカソの版画芸術の最高傑作といえる『ヴォラール連作』全100点を初公開。
同展示会では、2月26日(水)までの前期、2月28日(金)からの後期に分けて展示している。ピカソの傑作を、この機会に鑑賞してみては。
国内有数のピカソ・コレクションを持つ美術館
「ポーラ美術館」は、2002年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、神奈川県箱根町に開館。
印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催する一方で、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品も収集・展示し、同時代の表現へと展望を拡げている。
富士箱根伊豆国立公園という立地を活かした森の遊歩道では、四季折々の豊かな自然を楽しめる。
日本初公開のピカソによる全100点の版画集
同館では、ピカソによる油彩画・水彩画・パステル画を19点、版画の挿絵本・版画集を9セット収蔵している。
それらの作品群は、青年期から晩年までの作家の画業をたどることのできる、国内有数のピカソ・コレクションだ。
ピカソの版画集『ヴォラール連作』
『ヴォラール連作』は、パブロ・ピカソ(1881〜1973)の円熟期である、1930年代に手がけた全100点の版画集だ。
ピカソは版画家としても旺盛に制作に取り組み、版画技法によって「身体」「神話」「モデルと画家」「過去の巨匠との対話」「愛と暴力」などのテーマを、どん欲に掘り下げていった。
画商のアンブロワーズ・ヴォラール(1866〜1939)は、ドガ、ボナール、ルオー、ピカソなどの画家による版画集や挿絵本を50点以上プロデュースした腕利きの出版者でもあり、同版画集はヴォラールの企画による重要作となっている。
ギャラリートークや展示中のほかの作品
2月23日(日)には、担当学芸員によるギャラリートークも開催。
参加を希望する場合は、当日講堂に集合し、同展の担当学芸員とともに展示室で作品を一緒に鑑賞する。
また、5月18日(日)まで開催中の企画展「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」では、ピカソの「青の時代」の名品『海辺の母子像』を、「ポーラ美術館コレクション選」では、『男の胸像』『母子像』『シルヴェット・ダヴィットの肖像』をあわせて展示している。
箱根での滞在とともに、貴重なコレクションを楽しみたい。
画像:Ken Kato
新収蔵 ピカソ ヴォラール連作100
会期:前期 2月26日(水)まで / 後期 2月28日(金)〜5月18日(日)
会場:ポーラ美術館 展示室5
所在地:神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭1285
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
入館料:2,200円(税込)
展覧会特設サイト:https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20241214c03/
ギャラリートーク
開催日時:2月23日(日)14:00~14:40
定員:30名(先着)
会場:ポーラ美術館 講堂および展示室5
参加費:無料(入館券が必要)事前申込不要
詳細:https://www.polamuseum.or.jp/event/2024022301/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000026617.html
(田原昌)
※展示替えのため2月27日(木)休室