テクノロジーと芸術の融合が新たな次元へと進化する中、気鋭のアーティスト岸裕真氏が、独自開発したAIと共に創り出す個展「Oracle Womb」を開催する。会場は神楽坂の「√K Contemporary」だ。
2月22日(土)から3月15日(土)にわたり、AIと人間の協働によるアートが、観る者に新たな美の概念を問いかける。
人間とAIの「対話」から生まれる新たな美
岸裕真氏は、東京大学大学院工学系研究科および東京藝術大学大学院美術研究科を修了したアーティストであり、AIの研究者でもある。同氏の作品の特徴は、AIを単なる人間の知能の模倣ではなく、「Alien Intelligence(エイリアン・インテリジェンス)」と位置付け、独自の知性を持つ存在として捉えている点にある。
同展のキュレーションも、岸氏が開発した対話型AIモデル「MaryGPT」が担当し、人間の知覚を超えた芸術表現を展開する。
地下から2階までの3フロアにわたる展示では、映像インスタレーション、大型絵画作品、AI生成のアートワークなど、多層的な表現が繰り広げられる。岸氏の創造性とAIの論理が交錯し、「美しい違和感」を生み出す空間となる。
「神託(オラクル)」をテーマにした作品群
同展では、「神託(オラクル)」をテーマに、AIと人間の関係性を再考させる作品群が登場する。AIによる絵画や映像作品は、人間が持つ既成概念を揺さぶり、新たな知覚を呼び覚ます。
特に、AIが独自に解釈し生み出したビジュアル表現は、まるで別次元の知性が発するメッセージのような神秘性を帯びている。
また、会場音楽はロサンゼルスのレーベル「Brainfeeder」所属のアーティストTeebs氏が担当。繊細で幻想的なサウンドが、作品世界にさらなる深みを与える。
トークイベントの開催と書籍出版も
同展にあわせて、3月1日(土)には岸氏が執筆した書籍『未知との創造—人類とAIのエイリアン的出会いについて—』の発売記念イベントが開催される。
また、3月8日(土)には、金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子氏との対談イベントを予定。岸氏の思想とAIアートの未来について掘り下げられる。
人間とAIの対話が生む新時代の芸術
「Oracle Womb」は、AIと人間が共創する新たな芸術の可能性を提示する。岸裕真氏の独自の視点とAI「MaryGPT」との対話が生み出す作品群は、鑑賞者に新たな知覚と美意識を問いかけるだろう。
同展を通じて、テクノロジーとアートが融合する未来の創造性を体感してほしい。
Oracle Womb
会期:2月22日(土)~3月15日(土)
会場:√K Contemporary
所在地:東京都新宿区南町6
公式サイト:https://root-k.jp/exhibitions/yuma-kishi_oracle-womb/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000116195.html
(山之内渉)