東京都現代美術館では、12月21日(土)~2025年3月30日(日)の期間、「坂本龍一|音を視る 時を聴く」を開催する。
同イベントは、世界的な音楽家・アーティストとして知られ、昨年惜しまれつつ逝去した坂本龍一氏の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展となる。
没後も続く坂本龍一氏のアート界への積極的な越境
坂本龍一氏は、1952年に東京都で生まれ、1978年「千のナイフ」でソロデビューを果たした。
同年、Yellow Magic Orchestraの結成に参加し、1983年の散開後も多方面で活躍。映画「戦場のメリークリスマス」の音楽では英国アカデミー賞、映画「ラストエンペラー」の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞・グラミー賞他を受賞した。
環境問題や平和問題への取り組みも多く、森林保全団体 more treesを創設。東北ユースオーケストラを立ち上げるなど、音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動も行った。
また、1980年代から2000年代を通じて、多くの展覧会・大型メディア映像イベントに参画。2013年に、山口情報芸術センターのアーティスティックディレクター。2014年に、札幌国際芸術祭ゲストディレクターを務める。
昨年71歳で逝去した後も、最新のMR作品「KAGAMI」がニューヨーク・マンチェスター・ロンドン他を巡回するなど、アート界への積極的な越境は今も続いている。
稀有なアーティストの新しい一面を広く紹介
坂本龍一氏は50年以上にわたり、多彩な表現活動を通して、時代の先端を常に切り開いてきた。
90年代からは、マルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開し、さらに2000年代以降は、様々なアーティストとの共創を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考・実践した。
今回の展示では、生前において坂本氏が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、その創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開する。
未発表の新作と、これまでの代表作からなる没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点余りを、これらの作品を通して坂本氏の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどりつつ、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介。
坂本龍一氏の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出す。
同氏が追求し続けた「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という深い問いかけは、時代や空間を超えて、人々に新たな視座をもたらし、創造と体験の地平を開き続けてくれるだろう。
坂本龍一|音を視る 時を聴く
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F 他
所在地:東京都江東区三好4-1-1
会期:12月21日(土)~2025年3月30日(日)
開館時間:10時~18時※展示室入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜
観覧料:2,400円
公式サイト:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/RS/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000729.000038211.html
(高野晃彰)