長崎のオーベルジュ「陶々亭」が9月に開業。和華蘭文化を受け継いだ歴史ある建築に泊まる

長崎の「和華蘭文化」の歴史を紡いできた建築物が、リノベーションによって再スタートする。それが、オーベルジュ「陶々亭(とうとうてい)」だ。

同施設は9月1日(金)に開業を予定しており、8月1日(火)より公式サイト、その他旅行予約サイトにて予約を開始する。

「陶々亭」の歴史と「和華蘭文化」

江戸時代、長崎では中国との貿易が最盛期を迎えていたため、館内町では次々に唐人屋敷が造られた。そうして中国人と市民が交流を深め、龍踊りや中華料理が長崎市民たちに引き継がれた。

「陶々亭」は館内町の隣町、十人町に佇む。明治末期に建てられた和風建築だったが、昭和24年頃から「中華料亭 陶々亭」としてスタートしている。

3つの文化が融合

江戸時代に、長崎は日本の貿易の拠点として栄えた。そしてこの地で生まれたのが「和華蘭文化」だ。

「和」は日本、「華」は中国、「蘭」はオランダをはじめとした西洋文化を指していて、日中と西洋の文化が混ざり合ったものを指す。

生まれ変わった「陶々亭」が宿泊施設に

「陶々亭」は長崎で唯一の中華料亭として愛され、2020年にその歴史に幕を閉じた。同施設が位置する十人町は、グラバー園や大浦天主堂のある南山手地区、かつて日本の玄関口であった出島地区の間に位置する。

風情ある石畳の坂道を進んだ先にある、築100年を超える日本家屋を、当時の風情を残しながら丁寧にリノベーション。内装には純和風建築と自然になじむ良質なヨーロッパ家具やアートを配置した。ゲストが快適に滞在できるよう、しつらえを整えている。

3タイプの客室

同施設の客室は、趣の異なる3タイプとなる。

中華料亭時代には宴席の場として使われていた「主屋 OMOYA」、別棟だった「離れ HANARE」、そして家財・小道具が保管されていた「蔵 KURA」の3タイプだ。

「主屋 OMOYA」は、3タイプの客室の中で一番広い。料亭の優雅さを残しつつも広々とゆったりした空間で、贅沢な和みの時間が過ごせる。

「離れ HANARE」は、1階にリビングスペース、2階には寝室を配置したメゾネットタイプの客室だ。吹き抜けが開放感をもたらし、趣ある造りの中にモダンなインテリアが溶けこむ空間となっている。

そして「蔵 KURA」は、元は蔵として使われていた空間を改装した、遊び心あふれるユニークな部屋だ。内装にも蔵のレンガを残していて、さらにコンパクトなのもあり、隠れ家のような蔵独特の雰囲気が楽しめる。

なお、レストラン「HAJIME(はじめ)」についてはオープン日を調整中だ。

同施設では、素泊まりプランを用意している。100年以上の歴史を感じられる、個性際立つ空間で癒しの時間を過ごしてみては。

陶々亭
開業予定日:9月1日(金)
予約開始:8月1日(火)
所在地:長崎県長崎市十人町9-4
公式サイト:https://www.tototei.jp/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000117461.html

(田原昌)