京都で轟修杜さんの個展を開催。人間の無限の可能性とアール・ブリュットの世界を楽しむ

パリを拠点に活躍する轟修杜(とどろき しゅうと)さんの個展「轟 修杜の世界」が8月1日(火)~6日(日)の期間、京都の「生活あーと空間 ぱるあーと」にて開催される。

同展では、10歳までペンを持たなかった彼の「無限の可能性」と「アール・ブリュット」の世界を楽しむことができる。

絵描き歌から現在の制作活動をスタート

轟修杜さんは、3歳の頃、言葉のコミュニケーションが上手くとれず、自閉的傾向の発達障害と診断された。10歳まで筆圧もままならず、ノートに書く文字は薄く、筆箱の中は4年間同じ鉛筆のまま。

しかし歌が大好きで、絵描き歌が現在の制作活動のきっかけとなる。ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字などの文字で描かれるカラフルな作品は、2000枚に1枚の割合で完成している。

今回で8回目の個展

アートセラピーで新たな画法や表現方法を見つけ、2017年パリで初個展。日本初の個展を2019年に東京・自由が丘で開催した。4月にはフランスのパリ日本文化会館でも個展を開催。同展は、日仏合わせて8回目の個展開催となる。人間の無限の可能性と独創的な世界観が注目を集めている。

座卓に正座して短時間で描くスタイル

使用している画材は、スーパーマーケットに売っている安価な水性ペン。創作時間帯は、日によって突然という感じのことが多いという。普段は寄宿舎生活を送っているため、週末の自宅にいる時間で、どちらかというと夜中に制作を行う。時間にしたら2時間程度の短時間に集中して描き上げるとのこと。ちなみに、座卓に正座をして描くのが彼のスタイルだ。

個展展示予定作品1

個展展示予定作品1

個展展示予定作品2

個展展示予定作品2

生(き)の芸術とも訳される「アール・ブリュット」の世界

「アール・ブリュット」は“加工されていない芸術”という意味のフランス語「art brut」が語源。

フランス語の「brut」が「生のまま、自然のまま」という意味であることから、「生(き)の芸術」とも訳される。

「アール・ブリュット」とは、専門的な美術教育を受けていない人が、湧き上がる衝動に従って自分のために制作するアートのことで、絵画や造形作品、民族芸術など分野も多岐にわたる。なお、日本の「アール・ブリュット」も世界で高い評価を得ている。

母・轟都さんのコメント

轟さんの母・都さんは、「この画は、修杜が絵描き歌から描く喜びを知り、夢中になって描き始めた2013年に、紙の山の中から主人と私で見つけ、初めて修杜の才能を感じたものです。

なんとも言えないユーモアのあるタッチで今にも動き出しそうな数字や文字達。みんなが同じ方向を向いて、楽しそうに行進しているように見えました。私の中で勝手に「聖者の行進」と呼んでいます。」とコメントしている。

同展を訪れ、25年間にわたる轟さんの軌跡と、人間の無限の可能性を感じてほしい。

轟 修杜の世界
会期:8月1日(火)~6日(日)11時~17時
会場:生活あーと空間 ぱるあーと
所在地:京都府京都市上京区西洞院通下立売南入 東裏辻町408
公式サイト:https://www.par-art.co.jp/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000076031.html

(角谷良平)