日本人の暮らしを支えてきた細やかな手工芸。対策をしつつ、春らしさを取り入れたい」と考える人も多いのでは。
日本の作り手による作品の展示・販売会「手仕事のさきへ」が3月11日(土)から3月30日(木)まで開催される。
舞台となるのは京都の道具店「日東堂(にっとうどう)」だ。趣ある店内で、陶芸家・植田佳奈(うえだ・かな)氏と、ボウタイブランド・UTAI(ウタイ)の作品が展示・販売される。
日常を丁寧に支える道具店「日東堂」
日用家庭用品で知られるニトムズ社が、京都・八坂に構える道具店「日東堂」。日本の技術力にフォーカスし、「ジャパンテクノロジー」「日本の藝と道具」をコンセプトに掲げる。“日常を丁寧に支える道具”を扱う店だ。
「コロコロ」をはじめとするニトムズの代表3ブランドの製品をはじめ、日本独自の細やかな技術が活きた日用品や生活道具を取り扱う。
2階建ての町屋風の店内には、オリジナルブレンドのコーヒーを販売するコーヒースタンド「KYOTO COFFEE」を併設し、京都の観光名所のひとつ「八坂の塔」を眺めながらゆったり過ごせる。
今回開催される「手仕事のさきへ」は、2021年11月に初めて実施してから9回目を数える。クラフトマンシップが感じられる個性豊かな作品を実際に手に取り、風合いを確かめて購入できることから、過去のイベントでも多くの来場者を集めた。
このたびのイベントでは「日本の藝と道具」の未来を担う2人の作り手、陶芸家・植田佳奈氏と、ボウタイブランド・UTAIの作品を、2階の多目的スペースにて展開する。
手仕事の未来を担う植田佳奈氏とUTAI
植田氏の作品の表面に見える模様は、先の細いヘラのような道具を押し当てることでひとつひとつ刻まれている。
無作為な体の動きから生まれる点の集積と、手仕事の痕跡を感じるフォルムのバランスが、人工物でありながら自然物のような不思議なたたずまいを作品にもたらす。
UTAIのボウタイは、能楽の謡(ウタイ)の先生の袴にある結び目に着想を得て、着物の生地で仕立てられている。
格の高低にかかわらず選び抜いた絹地をボウタイという同じ形に整えることで、着物の柄の多様性とその現代的な魅力を発信している。
町屋風の店内は落ち着いた雰囲気で、新しい感性と和の伝統が混ざり合った植田氏とUTAIの手仕事を心ゆくまで楽しめる。京都らしいゆったりとした時間を過ごせるだろう。「手仕事のさきへ」は今後も不定期に開催される予定だ。
「手仕事のさきへ 9」
期間:3月11日(土)~3月30日(木)
会場:日東堂
所在地:京都府京都市東山区八坂上町385-4
時間:午前10時~午後6時
定休日:火曜日・水曜日
日東堂公式サイト:https://nittodo.jp/
(SAYA)