見えるから分かる、見えないから分かる、その面白さとは。
色彩と素材のマチエールを追求する若手アーティスト・松岡柚歩さんの個展「針の穴から天を覗く」が、銀座 蔦屋書店のアートスペース「FOAM CONTEMPORARY」にて、2月17日(金)から3月7日(火)まで開催される。
数々の受賞歴を持つアーティスト、松岡柚歩さん
松岡さんは京都造形芸術大学大学院(現・京都芸術大学)を2021年に修了した若手アーティスト。在学中から「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2021」Proactive賞(2021)、「シェル美術賞2020」学生特別賞(2020)など、さまざまな賞を受賞してきた。
松岡さんの作品は、色彩豊かなパターンをいくつも折り重ね、鑑賞者に不思議な視覚体験を与えることが特徴だ。キャンバス上に乗せられた絵具により生み出されるさまざまなマチエール、レイヤーは、見る人の視覚だけでなく触覚をも刺激する。
物事への前向きな姿勢を個展のタイトルで表現
同展のタイトル「針の穴から天を覗く」とは、自分の狭い見識をもとに、大きな事柄について勝手な推測をすることを表すことわざ。
松岡さんはこのことわざを後ろ向きに捉えず、「見えているものに限りがあるからこそ“見える”ことがある」「見えないことで生まれる想像や経験の可能性について肯定的に捉えよう」という意味を込めてタイトルとして名付けた。
同展に合わせて、彼女は次のように言葉を寄せている。
「去年の終わり頃、新しい制作スタジオを借りるためにあわせて住居を移動した。前の家より陽がよく入る場所で、心なしか朝すっきり起きられるようになった。
(中略)
話は戻るが私は大変この家を気に入っているのだと思う。なんとなく長い間住むだろうと感じたため、家具も一通り揃えた。
そんな快適な生活に年末頃に変化があった。どうやら隣人が引っ越してきたらしい。両隣しばらく空室だったため、変化にはすぐ気がついた。
とにかく音と声が気になる。約8年ほど1人暮らしをしているが、今までそういったことを気にしたことがないことに初めて気がついた。
顔も見たことがない、性別もわからない隣人とまるで共に生活しているようなのである。なんとも不思議な気分になる。
見えるから分かることと見えないから分かること、色々と想像する生活が今は楽しい」
これまで追求してきた色彩、素材のマチエールをより深化させた同展にて、松岡さんの作り出す色彩豊かな世界を楽しみたい。
松岡柚歩 個展「針の穴から天を覗く」
期間:2月17日(金)~3月7日(火)
時間:11時〜19時
会場:銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY
所在地:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
入場料:無料
特集ページ:https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/31514-1036580131.html
(IKKI)