気球で宇宙旅行を目指す!?岩谷技研が北海道で未来に向けた実験にチャレンジ

気球で「宇宙旅行」も夢じゃない。北海道企業による、民間人を宇宙の入口まで連れていくための取り組みが進んでいる。

北海道・大樹町と、北海道に本社を置くSPACE COTAN、岩谷技研が、アジア初の民間にひらかれた商業宇宙港「北海道スペースポート(以下HOSPO)」の1,000m滑走路で、気球の放球実験を5月16日(月)~19日(木)のいずれか1日に実施する。

費用と訓練面で課題の多い「宇宙旅行」を気軽に楽しむために

2021年は前澤友作氏の民間有人宇宙旅行が注目を集め、世界的に宇宙商業利用が加速し、多くの民間企業が宇宙ビジネスに参画した。今、国主導の「宇宙開発」とともに、民間による「宇宙産業」がさらに進化している。2040年には世界の宇宙産業が100兆円超の巨大市場に成長するという予測もあるほどだ。

なかでも巨額の費用がかかる宇宙旅行は、宇宙空間に行くための肉体的・精神的な特別訓練が必要で、一部の特別な人間のみにしかチャンスがないのが現実だ。

この課題に対し、岩谷技研は「誰もが特別な訓練や鍛錬を必要とすることなく、幼児から年配者まで全ての人を宇宙の入り口まで連れていくこと」をミッションに掲げ、今後2年以内の気球による宇宙旅行の実現を目指して、ガス気球と気密キャビンの開発を進めている。

「2024年までの宇宙旅行の実現」を目指した気球の放球実験

岩谷技研は、これまでに数々の宇宙旅行用のプラスチック気球と気密キャビンを開発してきた。

2018年には淡水魚の打ち上げと帰還、2021年には無人気密キャビンと自社製プラスチック気球の打ち上げと回収を実施。今年に入ってからは立て続けに、低高度有人係留飛翔試験、25m級気球の打ち上げなどの実証実験に成功した。

今回は、内製基板の長距離通信可否を検証するために、生分解性筐体とゾンデ気球を用いた実験を実施。実験は HOSPOの施設である1,000m滑走路を利用する。

岩谷技研では今後もHOSPOにて同様の実験を行う予定で、最大41m級までの自社製プラスチック気球を用いた回収前提の各種実験も計画中だ。

老いも若きも、気球に乗って宇宙旅行を楽しめるーそんな未来が確実に近づいている。

北海道スペースポート
所在地:北海道広尾郡大樹町字美成169番地他
公式サイト:https://hokkaidospaceport.com

岩谷技研 公式サイト:https://iwaya.biz/

(IKKI)