被災地の再生を応援するクラフトジン「ふたば」誕生

被災地の原酒や素材を元にして作られたクラフトジンが誕生。トマトやマリーゴールドといった香りが楽しめる1本だ。

「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」をモットーに、廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営する蒸留ベンチャーのエシカル・スピリッツは、東日本大震災による被災地の再生を応援する新作クラフトジン「ふたば」を発表。375ml瓶に加え、新たに500ml瓶を福島県の現地限定で2月26日より販売することが決定した。

地域のボタニカルを使ったクラフトジン「ふたば」

福島県郡山市の酒蔵「仁井田本家」による粕取り焼酎を原酒に、ボタニカルには福島県いわき市産「トマト」や宮城県仙台市産「マリーゴールド」をはじめ、ジュニパーベリー/コリアンダーシード/アンゼリカルート/シナモンを使用。原酒とシナモンによるクッキーのように甘くて香ばしい香りと、トマトとマリーゴールドの青く爽やかな香りが特徴。

販売店は、いわき市の「ワンダーファーム」、双葉郡総合インフォメーションセンター「ふたばいんふぉ」、双葉町産業交流センター内「サンプラザふたば」そして郡山市の仁井田本家の4ヶ所となる。

価格:4,950円

開発プロジェクト発足の背景

エシカル・スピリッツの蒸留責任者 山口歩夢氏へ、「福島県双葉町の特産のジンを作りたい」という髙崎丈氏からの相談がきっかけ。

髙崎氏は、福島県双葉町にて店舗を構えていたが、東日本大震災で営業が困難となり東京へ移転。タカサキ喜画を設立し、双葉町に交流人口を増やすため、複数のプロジェクト活動を行っている。

2020年3月、福島県双葉町は町内一部の地域の避難指示が解除されたが、依然として町内全体の解除には至っていない。よって、現在の双葉町には特産品がない状況だ。そんな双葉町の特産となるクラフトジンを、地域のボタニカルを使っての生産プロジェクトが始動した。

被災地の再生を応援するクラフトジンとして

トマトは、福島県いわき市にある体験型農園でトマト狩りなども楽しめる「ワンダーファーム」から。都内のスーパーや、高級食材宅配サービスでも取り扱われている高品質なトマトだが、その中でも大きくなりすぎてしまったトマトをふんだんに使用。

マリーゴールドは宮城県仙台市荒浜区の「平松農園」より。町のほとんどすべてが流されてしまった荒浜区で、新規就農者として2017年より農園を開始。マリーゴールドは「緑肥」という、育ててそのまま畑にすき込むことで肥料分になったり、土壌改良に役立つ作物。緑肥に使われていた一部を使用した。

原酒には、福島県郡山市の酒蔵「仁井田本家」が、福島県産の雄町で醸造した『穏(おだやか)』という日本酒の酒粕を再発酵させ蒸留した、粕取り焼酎を使用している。

今人気のクラフトジンで、被災地を応援したい。

エシカル・スピリッツ:https://ethicalspirits.jp/

(田原昌)