ドイツ料理を味わう〜ミュンヘンのビアホール「SPATENHAUS」

ドイツのミュンヘンといえば、「ビール」を期待して訪れる観光客が大半だと思われる。「オクトーバーフェスト」はもちろん、市内のあちこちにビアホールが立ち並び、朝から夜までビールで乾杯している姿がよく見受けられる土地柄だ。

その「オクトーバーフェスト」で巨大なテントを立てることのできる、地元の6つのビール醸造所があるのだが、今回はその一つ「Spaten(シュパーテン)」を訪ねてみた。

シュパーテンのビアホールは市内に何店舗もあり、観光客に人気だったり地元の人が多いなどそれぞれに特徴があるので好きなタイプに足を運んでみよう。

店内は落ち着いた灯りに包まれ、漆喰と木を組み合わせた壁や天井が素敵だ。

早めの時間に行ったので店内は割と空いているように見えたが、どの席にも予約が入っていた。「1時間位なら大丈夫」と言ってもらえたので無事に着席。やはり地元の人たちにも人気の店なので、どうしてもという場合は予約するのがオススメ。

紋章を見てみると、シュパーテン、ドイツ語で「鋤(すき)」を意味するシャベルのようなマークが描かれており、1397年創業と書かれている。日本で言えば、室町時代初期に出来たビール醸造所ということだ。さすがはミュンヘン、歴史が違う。

ビールは「ヘレス」と呼ばれる美しい黄金色。麦芽の風味がしっかりとしながらも、するするとたくさん飲める。

料理の最初はドイツらしい、じゃがいものスープ。とにかくどんな料理にも「じゃがいも!」というくらい、ドイツでは欠かすことのできない食材。結構お腹にたまる。

そしてすぐに出てくる料理で、ビールのいいお供になるのがヴルスト(ソーセージ)。「ソーセージ」と言っても通じないのでご注意を。

ヴルストには様々な種類があり、その土地由来のものもある。例えばミュンヘン近郊では白ソーセージ「ヴァイスヴルスト」が有名であり、こちらは朝の11時までに提供されるものとなっている(ただし、観光客向けにいつでも食べられるようになっている店も多い)。

今回はミュンヘンのやや北側にある、ニュルンベルクのソーセージ「ニュルンベルガー」を注文。細めの焼きソーセージがたくさん出てくる。プリッとしていてスパイシーだ。

メイン料理は「Schweinhaxe(シュヴァインハクセ)」。ドイツのどこでも食べられる料理で、豚のスネ肉をグリルしたもの。

周りはカリッとしていて香ばしく、中の肉がとてもジューシー。グリルしているので油っぽくなく、旅行中の胃にも優しい。もちろん、ビールにも合う。

ドイツでは注文した料理をシェアする文化はないが、日本人には一皿一皿が多いので、数種類頼んでシェアして食べてみよう。

その土地の料理とその土地のビール。合わないわけはない。

※残念ながら、今年のオクトーバーフェストは開催が中止となった。また、2020年6月現在、欧州各国では出入国の制限をしているので旅行の際は必ず確認を。

(田原昌)