青空のもとで楽しむコート・ダジュールの幸!ニースの市場を訪ねて

地中海に面した南仏は、温暖で明るくてとても過ごしやすい。海が美しいこともさることながら、抜けるような青空が心を解放してくれるかのようだ。

高級リゾート地のイメージが強いニースだが、旧市街に行くと雑多ながらも素朴で、気取らない雰囲気が人々を魅了している。

高級ホテルが立ち並ぶ新市街から緑が豊かな「Jardin Albert 1er(アルベール1世公園)」を抜けると、中心部の東側に旧市街が広がっている。

ここで楽しみたいのは、「Cours Saleya(サレヤ広場)」の市場。朝早くから夜遅くまで、ぶらりと散歩しながら気軽に立ち寄ってみよう。

朝から昼ごろまで賑わっているのは、花市場。

バラをはじめ、見事なシャクヤクやカーネーションなど色とりどりの花が並んでいる。どれも日本に比べて安価で、人々は気軽に大きな花束を抱えるようにして買っていく。きっと自宅に飾るのだろう。

窓辺にも花の植木鉢が並んでいたりして、そうやって花を気軽に飾ったり贈れる習慣がとても素敵だと思った。

明るい南仏が、花でさらに明るくなるようだ。

花市場が次第に落ち着いてくると、昼前後から賑わうのが食品やお土産などの市場。花市場が終わった後の場所を、そういった店でどんどん入れ替わっていく。

写真は「フリュイ・コンフィ」。梨やアプリコットが手前に見えるが、フルーツをまるごと砂糖漬けにした甘いお菓子だ。好きなものをグラムで測って購入できる。お土産にもおすすめ。

南仏らしいといえば、ずらりと並んだオリーブ。「こんなにも種類があったのか!」と驚くほど。

また、コンフィチュールやパテなども、フランスの食卓には欠かせないもの。試食させてくれることもあるので、気になるものは聞いてみよう。

旅行者には買えないが、海のあるニースらしい新鮮な魚介類も目にする。頼めばさばいてくれるのも、日本と同じだ。

そしてニースではなくプロヴァンス地方の特産だが、南仏といえばラベンダー。お土産にもなる匂い袋、詰め替えのラベンダー、花束になったラベンダーやせっけんなど、どれも香りがいい。

虫除けや不眠にも効くと言うこのハーブを、自分用にも購入したいところ。

夕方以降暗くなってくると、今度はアンティークや手作りの店が代わりに並び始める。こうしてこのサレヤ広場の市場は時間帯によって表情が変わり、どんな時でも楽しめるようになっている。

新市街でのショッピングだけでなく、地元の人たちとお喋りしながら市場をぶらつくのも旅行ならではの楽しみ方だ。

※2020年6月現在、欧州各国では出入国の制限をしています。旅行の際は必ずご確認を。

(田原昌)