京都の伝統的な建築「町家」は、今やリノベーションなどで密かなブームになっている。
今回、築50年以上の京町家を改修した一棟貸し宿、「季楽 京都 本町(きらく きょうと ほんまち)」が、三十三間堂・京都国立博物館近くに開業した。
■コンセプト
京都市中心部から車で1時間ほど離れた宇治茶の名産地「和束町」を訪れたくなる宿をコンセプトに誕生。
1階の主寝室には枯山水庭園を模した空間が広がり、また茶室をイメージした2階の居間は、和束町産の宇治茶を味わいながらガラスの床越しに階下の枯山水を眺められる、ユニークなデザインだ。
■和束町の魅力
京都府南部に位置する和束町は、鎌倉時代初期にあたる800年前から茶を生産する宇治茶の最大産地であり、町全体に茶畑が広がる美しい景観から別名「茶源郷」とも呼ばれる。しかしながら、この町が有する素晴らしい歴史と景観はまだ多くの人に知られていない。
こうした現状を受け、和束町の出身であり、当施設に向かう路地の入口にあたる場所で喫茶店「きっさこ和束」を営むオーナーの「和束町の魅力をより多くの人に知ってもらいたい」という想いをベースに、宿を運営するNazuna、ファイナンス・テクノロジーに強みをもつKiraku Japanならびに空間プロデュース国内最大手の乃村工藝社による共同プロジェクトとして完成したのが「季楽 京都 本町」だ。
■京都で唯一の「真上から見下ろす庭園」
宿に入りイグサの香りと昔ながらの雰囲気が漂う土間を抜けると、枯山水庭園を模した空間に広々としたベッドを置いたユニークな主寝室が広がる。
一際目を引く大きな岩のアートワークは、和束町の石寺の風景がモチーフ。その岩を中心に砂利敷きの庭園に見立てた空間が演出されており、和束の大地で寝転がっているような体験を味わうことが出来る。
この枯山水の庭は2階のリビングの透明な床からも眺めることができ、和束町の宇治茶をお供に独特な空間が楽しめる。京都でも「真上から見下ろす庭園」は、ここだけ。
そして奥には屋外の坪庭を楽しみながら入浴できる露天風呂を設置。好きな時間にゆったりと湯に浸かり、寛ぎの時を過ごそう。
インテリアには、昔の茶農家が実際に使っていた茶箱をリメイクしたティースタンドや、かぶせ茶をつくる際に使われる遮光シートを使った照明器具など、当施設のテーマに合わせて制作されたオリジナルアート家具を使用しており、空間の独自性を高めている。
京町家で暮らすように泊まる、特別な宿泊体験を楽しみたい。
アクセス:京阪本線「七条駅」徒歩4分
所在地:京都市東山区本町5丁目187-1
館内設備:寝室 / 和室x2 / リビングエリア /庭・露天風呂 無料Wi-Fi完備
予約:https://www.nazuna.co/ja/property/honmachi-gochome
(田原昌)